私立学校、受けたいけど……

ご存知の通り、私立学校は国立・公立の学校に比べて学費が高いのが特徴です。学費の面で「私立学校にはちょっと通えない」という人も少なくありません。このような人は、選択肢が国立・公立の学校に限られるので、いわゆる『すべり止め』の私立学校を受験することができず、数少ない入試にすべてをかける必要があります。

 

いくら成績がよい人でも、もし入試直前にインフルエンザにかかったり、交通事故に遭ったりしてしまったら……。私立学校という選択肢がないために、人生を大きく狂わされてしまうこともありうるのです。可能性は決して高くはないですが、現実にそうした事態に見舞われる人はいます。

 

また、私立学校は、独自の校風・教育内容を持ち、国立・公立の学校にはない魅力を備えています。しかし、通いたい、あるいは子どもを通わせたいと思える学校があっても、「私立だから」という理由で選択肢から外されてしまうこともよくあります。

 

特待生制度を使えば、私立学校も選択肢に

このように、「本当は私立学校も考えたいんだけど、経済的な理由で国立・公立の学校しか受けられない」という人におすすめなのが特待生制度です。私立学校の中には、特待生制度を設けているところが多くあります。入試の得点や通知表の内申点などで一定の基準を満たせば、入学金や学費の一部または全部が免除される制度です。これを利用すれば、経済的な負担が減るので、私立学校を選択肢に入れることができ、学校選択の幅が広がります。つまり、自分に合う学校を選びやすくなるわけです。

 

経済面以外のメリットも

特待生制度には、経済的な負担軽減以外のメリットもあります。特待生制度には、あらかじめ内申点などの条件が決まっていて、それを満たしていれば入試前に合格をほぼ確定させることができるケースもあります。これを利用すれば、先ほど述べたような一発入試のリスクを避けることもできます。

 

また、私立学校の入試は国立・公立の学校より早いので、受験生活を早く終わらせ、受験勉強にかかる費用を節約でき、受験のストレスを軽減できるというメリットもあります。

 

そして、特待生はその学校でトップクラスの学力を持っていることの証明でもあります。『鶏口牛後』ということわざがありますが、無理して難関校に入学しても、ハイレベルな競争の中でもまれ、自信をなくして成績不振に陥るケースはしばしばあります。それよりも、特待生として学校のトップを張っているほうが、自信と自覚を持って勉強に取り組めるという人もいるのではないでしょうか。

 

そして、特待生は学校の期待を背負っています。学校側には、特待生に難関校合格を実現して、学校の評判を上げてもらいたいという考えがあります。そのため、特待生は先生からのサポートを受けやすくなります。

 

特待生を狙うときにやるべきこととは?

特待生を狙うのであれば、事前によく調べることが何よりも重要です。特待生制度には、適用にあたって様々な条件があります。たとえば、『3年間の主要5教科の5段階評価での成績が◯◯以上』のような条件がついていることが多いです。また、中学の成績だけではなく入試での成績順位に関する条件がつけられていることもよくあります。さらに、晴れて特待生となっても、入学後の成績や生活態度によっては、途中で学費免除がなくなったり減額されたりすることもあります。

 

こうした条件を確認し、自分に合っている学校で、しかも条件をクリアできそうなら積極的にチャレンジしていくといいでしょう。