『英検』が変わる!

大学入試改革においても大学入試への活用が提言されるなど、ますます注目される英語の検定試験。その中でも、幅広い層が受験する『英検』は最もポピュラーな試験の一つです。

これまでの累計志願者数が約9800万人にも達する『英検』(出典:『英検』ホームページhttp://www.eiken.or.jp/eiken/merit/situation/)、受験したことがあるという人も多いと思いますが、実は2016年度の試験から大きく内容が変わることを知っていますか?

そこで今回は、2016年から変わる『英検』の試験内容についてみていきましょう。なお、ここからの内容については、『英検』ホームページ内のプレスリリース(www.eiken.or.jp/eiken/info/2015/pdf/20151225_pressrelease_1601renewal.pdf等)を参考にしています。

 

①合否判定が変わる

まず、合否判定の方法が変わります。

これまでは、満点の約60~70%に設定された合格ラインをクリアすれば合格でした。しかし、2016年度の試験からは、国際的な基準であるCEFRとの関連性を持たせた『CSE2.0』という新しいスコア尺度を合否判定の基準に用いるようになります。具体的には、1~5級の各級においてリーディング・リスニング・スピーキング・ライティングの4技能(4・5級は3技能)を点数化し、設定された合格ラインを超えれば合格となります。

この変更により、4技能を総合的に評価することが求められるこれからの大学入試において『英検』のスコアを選抜基準として活用しやすくなるだけでなく、同じく大学入試での活用が見込まれる『TEAP』『TOEFL iBT』といったテストとのスコア比較も容易になります。

 

②2級でライティングテストを実施

合否判定の変更にともない、各級の試験内容も、より総合的な英語力を測定できるものへと変更されます。まず、これまで1級と準1級でのみ実施されてきたライティング、すなわち英作文のテストが2級でも実施されます。

 

③ライティングで観点別評価を導入

1級・準1級・新たに導入される2級について、ライティングの採点基準が改められ、『内容』『構成』『語彙』『文法』の観点別評価が採用されます。より細かい採点が行われるため、ライティング力向上のヒントを得やすくなるものと思われます。

 

④一部問題形式の変更、試験時間の変更

1級・準1級ではライティング、2級・準2級ではリーディングにおいて、問題形式が一部変更になります。具体的には、2級・準2級のリーディングの長文の空欄補充問題について、一語を補充する問題から複数の語句で構成されるカタマリを補充する問題へと変更されるようです。また、2級については試験時間が75分から85分に延長されます。

 

⑤4・5級でスピーキングテストを実施

また、これまで二次の面接試験が行われていなかった4・5級でも、2016年度からはスピーキングテストが実施されます。3級以上の面接試験と違うのは、(1)一次試験合格後に行われるのではなく、受験者全員が受験可能 (2)級の合否はスピーキングテストの結果に関係なく、今までどおりリーディング・リスニングの試験結果だけで判断 (3)インターネットを利用し、パソコン・タブレット端末等でどこでも受験可能 といった点です。

 

ステップアップしながら、2級以上を目指そう!

今回の変更に関して、特にライティングが導入される2級では対策が必要でしょう。2級以上の合格を目指す人は、英作文の勉強を早いうちから始めるべきです。一方、大学入試改革の流れと合わせ、大学入試において『英検』を活用する動きが広がってくる可能性もあります。低学年のうちから『英検』にチャレンジし、5級から4級、3級……と1段階ずつステップアップしながら、大学入試で有利になる2級クラスを目指していくことが、将来の大学入試を有利にするポイントといえそうです。