国語の記述・論述式問題、得点を上げるには?

文部科学省の学習指導要領では、全科目を通じて思考力・判断力・表現力が重視されています。それを受けて、各都道府県の公立高校入試でもこうした力を重視する傾向が強まり、英数国理社どの科目でも記述・論述式の問題が多くなっています。

 

ところが、記述・論述式の問題が苦手だという受験生は少なくありません。中でも国語は、記述・論述式の問題が多く、点数が取れないという悩みを抱えている人が多いようです。

 

こうした人の答案は、記述・論述式の問題が出ると解くこと自体を諦めてしまうため、空欄が目立つようです。

 

しかし、出題される問題のパターンは意外と限定されていて、きちんとトレーニングを積めば、記述・論述式の問題にも必ず対応できるようになります。

 

そこで今回は、国語の記述・論述式の問題での得点を上げるための基本的な考え方について説明していきます。

 

本文と問いをきちんと読み、ヒントを探そう!

まず、何よりも訴えたいのは「本文と問いをきちんと読み込む」ことの重要性です。

 

記述・論述式の問題が苦手な人は、「どうせ分からないから、本文は読まない」「記述・論述式の問題は飛ばして、選択式の問題をカンで解く」という傾向がみられます。

 

つまり、文章読解の問題のはずなのに、ほとんど「読む」という行為をしていないことになります。

 

しかしよく言われるように、国語の文章問題では、答える上での根拠は必ず本文の中にあります。そして、その根拠を探すヒントとなるのが問いの文です。

 

だから、本文と問いをきちんと読み、問われていることを本文中から探してくれば、たいていの問題には解答できるようになるのです。

 

指示語が出てきたら、直前を探そう!

心がけてほしいのは、「指示語の指す内容を探す」ことです。

 

傍線部の文章に「これ・それ・この・その・こう・そう」といった指示語がある問題では、指示語が指している部分を探します。ほとんどの場合、それは傍線部の直前部分、または前の段落にあります。傍線部のある段落内をまず探し、なければ前の段落を探すようにしましょう。

 

また、中には答えの根拠になる部分にも指示語が含まれている場合があります。この場合は、その指示語が指す部分をさらに前の部分から探し、具体的に言い換えていきましょう。

 

問いの中にもヒントが!

本文だけでなく、問いの文の中にもさまざまなヒントが隠れています。これを知っておくのも非常に重要なことです。

 

問題としてよく見られる「抜き出せ」「書き抜け」という指示がある場合、本文中から答えになる部分を探し、一字一句変えずに書き写す必要があります。

 

これに対し、「文章中の語句を用いて」と指示がある問いでは、本文中から答えになる部分を探してくるのは同じですが、問いかけに呼応して、文末を「~こと。」「~から。」に変えたり、解答欄に合う形にしたりと、何らかの方法で本文中とは少し違う文にしなければならないことに注意が必要です。

 

また、字数制限があり『○○字以下』となっている問題では、最低でも字数制限の8割以上は書くようにしましょう。これを下回ると減点の可能性が高くなります。

 

なお、字数オーバーは減点ではなく0点になってしまう場合もあるので注意が必要です。

 

以上のポイントに気を付けながら問題演習をすることで、だんだん記述・論述式問題の解き方が定着し、解けるようになっていきます。読む前に諦めず、ぜひチャレンジしてみてください!