得点力がモノをいう上位公立高校入試

上位公立高校、特に都道府県内トップクラスの高校に合格するには、内申点もさることながら、入試当日の得点力も非常に重要です。トップ校になると、「間違えていいのは1科目3問まで」といわれることもあり、各科目ともスキのない学力が求められます。

 

公立高校入試の『電話帳』とは?

こうした上位公立高校合格を目指す高校受験生の多くが使っているのが、通称『電話帳』とよばれる問題集です。こう書くと、「問題集なのに『電話帳』?」と、不思議に思う人もいるかもしれませんが、もちろん電話番号が書いてある本来の電話帳ではありません。

 

『電話帳』とは、正式名称を『全国高校入試問題正解』といい、旺文社から毎年発行されている、全国47都道府県の公立高校入試問題および有名私立高校の入試問題を収録した問題集です。教科別のものと、英数国・理社をそれぞれまとめて1冊ずつにしたものがありますが、特に後者のほうは非常に分厚く、『電話帳』と呼ばれるのもうなずけます。

 

全国の公立高校入試問題で、入試のレベルや出題方式をつかむ

『電話帳』が上位公立高校の受験生に愛用されてきたのには、いくつかの理由があります。理由のひとつは、公立高校入試のレベルをつかむことができるからです。基本的に公立高校の一般入試は、トップ校から偏差値の低い学校まで、同じ都道府県内の公立高校なら全て同じ問題で行われます。そのため、トップ校の入試問題も、その多くが基礎的・標準的な問題で構成されています。そして、公立高校の入試問題は学習指導要領に基づいて行われるため、入試問題のレベルや出題方式はどの都道府県でも自ずと似通ったものになってきます。

 

そのため、『電話帳』を利用して全国の公立高校入試問題を解き続けることで、質・量とも十分なトレーニングを行うことができるというわけです。都道府県は日本に47あり、また愛知県は複数の入試日程があるので、同じようなレベルの問題をひたすら解き続けることが可能です。さらに、過去の年度の問題集を入手すれば、問題数はこの何倍にもなります。

 

独自問題の対策にも役立つ

もうひとつ、公立上位高校の受験生にとってありがたいのは、上位校の独自入試問題も一部収録されていることです。上位校の中には、英・数・国の主要教科で通常の問題より難しい独自問題を出題するところもあります。しかし公立高校の場合、トップ校だからといって入試問題を際限なく難しくすることはできません。学習指導要領のカベがあるからです。難関私立高校のように、高校生レベルの知識がないと解けない問題はまず出てきません。

 

そこで独自問題では、知識に頼ることなく、計算力・思考力・表現力などをベースにした応用力を試す問題が出題される傾向にあります。『電話帳』には東京都のグループ作成問題をはじめとする独自問題が収録されているので、この対策にも役立ちます。

 

全国制覇して、自信をつけよう!

もちろん、全国の問題を制覇するには時間がかかりますが、全部解き終えたときの達成感は相当なものがあります。そして、1冊やり通すことで、得点力・解答作成力も大幅にアップし、自信がつくはずです。

 

公立上位高校の受験を考えている人は、できるだけ早期に中学全範囲の知識を一通りインプットし、『電話帳』などを利用して問題演習に取り組んでみてはいかがでしょうか。