テストを作る人は、どんなことを考えているの?

よく、テストにおいては『出題者の意図を考える』ことが大切といわれます。出題者も人間ですから、テスト問題を作るときには様々なことを考えています。今回はこの点に着目し、テストを作る人が問題作成にあたって考えることの一部を紹介します。テスト対策の参考にしてみてください!

 

  • 学校の先生が定期テストを作るときの考え方

学校の先生が定期テストの問題を作るときには「ここは授業中にしっかり説明したから、ぜひとも出題したい」とか「問題集を事前に解いているか確認するために、この問題はそのまま出題しよう」といったことを考えながら問題を作ります。しかし、全員が解ける問題ばかりでは点差がつかず、先生が成績をつける際に困ることになるので、基本的問題だけでなく、少し難易度を上げた標準的な問題や、試験範囲の教科書を隅々まで読み込み、そして問題集を繰り返し解いていないとできない応用問題も出題します。

また、高校・大学入試の傾向を意識している先生は、同じ形式で出題する傾向にあります。たとえば、高校入試に記述式問題が多いことをかんがみ、中学校の定期テストでも記述式の問題をたくさん出すことがあります。あるいは、生徒の多くがセンター試験を受験する進学校では、定期テストの問題もセンター試験と同じ4肢択一式の問題にするケースもみられます。

 

  • 入試問題作成者の考え方

中学・高校・大学入試の問題は、ただ単に受験生の選抜を行うためだけのものではありません。問題にはそれぞれ、入試問題作成者、すなわち入試を行う学校からの受験生に対するメッセージが込められています。

たとえば、複雑な計算問題は「この問題が解けるぐらいの計算力がある生徒に入学してほしい」という学校側の意思表示です。また、記述式問題が多い学校からは「丸暗記の知識だけでなく、考える力も持っているか試したい」という思いが伝わりますし、時事問題を好んで出題する学校はきっと「受験勉強用のテキストだけでなく、実際の世の中で起きている出来事にも目を向けてほしい」という願いを持っていると考えられます。

受験生は、こうしたメッセージを受け止め、学校側の求める水準を満たせるよう勉強に励む必要があるわけです。入試過去問を解く目的はここにもあるといえます。

 

  • 模試作成者の考え方

模試は入試問題の傾向を分析した上で作られています。模試の作成者は、入試合格を目指す受験生たちに対し、「入試ではこんなテーマが問われているから、この問題を解いて備えておこう」と呼びかけているわけです。模試を解くことは、すなわち入試問題にふれることでもあるのです。

 

完璧な解答で、問題作成者の思いに応えよう

いかがでしょうか? このような問題作成者の考え方を知ると、定期テストや入試、あるいは模試に対する見方が変わります。問題作成者の思いをくみ取り、完璧な解答で応えられるよう、日々の勉強やテスト対策に励みましょう。