AO入試での合格を狙うための条件

国公立大入試の中でも、AO入試は特殊な入試制度です。うまくハマれば、一般入試ではまず合格ラインに達しない受験生が、AO入試で「一発逆転」を達成することも不可能ではありません。事実、模試でE判定ばかりの受験生や、カリキュラム上一般入試での国公立大受験が難しい専門高校の生徒が、AO入試で国公立大現役合格を果たし、「なんで受かったの?」と周囲を驚かせるケースもしばしばみられます。

しかしもちろん、これはたやすいことではありません。AO入試での「一発逆転」合格を実現するには、様々な条件があります。今回は、その条件のうち、特に重要なものをご紹介します。「とにかく、何としても国公立大へ行きたい」という人は、こうした条件をもとにAO入試について十分調べ、受験できそうな学部・学科を探してみるといいでしょう。

 

条件① 大学が求める要件をクリアしている

まず、出願にあたって大学が求める条件をクリアしていなければ出願できません。

最も代表的なのは「合格した場合、本学に入学することを確約」する、いわゆる「専願」の要件です。

次に重要なのが、学業成績の評定平均値です。推薦入試と異なり、AO入試には成績要件が課されないことも多いのですが、課される場合はいわゆるA段階(評定平均値4.3以上)、もしくは評定平均値4.0以上を求められるケースが多いようです。その他、検定試験などの資格を求める場合、あるいは在籍している高校の学科が専門学科など特定の学科であることを要件としている場合もあります。

 

条件② 出願書類の質がよい

条件①をクリアしていても、それだけでは書類審査で落とされてしまいます。書類審査を通過できるよう、出願書類の内容を練り上げる必要があります。

通常、出願書類には志望理由や自己PRの記入欄があります。まず、大学側が公表しているアドミッション・ポリシーを熟読し、大学側が求める学生像をつかみましょう。志望理由・自己PRの内容は、このアドミッション・ポリシーに沿っていなければならないからです。もっと具体的にいえば、自分の経験や強み、そして将来の目標・夢を明らかにした上で、受験する学部・学科で学べる内容をそれらと十分に関連させ、志望校で学びたい理由を明確、かつ論理的に説明できるように書く必要があります。

読み手に伝わる内容かは、自分一人では判断できません。必ず、出願書類の指導に長けた人にチェックしてもらうようにしましょう。

 

条件③ センター試験の要件を満たしている

AO入試で重要なのが、このセンター試験に関する要件です。AO入試にはセンター試験を課す場合と課さない場合があり、俗に「センターあり」「センターなし」と区別されます。

「センターあり」の場合は、夜間課程など特殊なものを除き、一般入試でのボーダーラインに近い点数を求められることが多いようです。事前に合格基準点が明らかにされていることもありますので、募集要項をチェックしましょう。

一方、「センターなし」の場合は、書類審査と小論文・面接などが合否の判断材料となります。学力的に一般入試での合格が厳しいという人は、「センターなし」のAO入試を目指すのが得策といえます。

 

条件④ 定員の配分が大きいAO入試を狙う

一般入試とAO入試の定員配分にも注意する必要があります。学部・学科定員のほとんどが一般入試で占められ、AO入試の定員が数名しかない学部・学科では、必然的にAO入試での競争が激しくなり、合格が難しくなります。一方、AO入試の定員が一般入試の定員の半数程度あるような学部・学科もあります。このような、積極的にAO入試で学生を採る学部・学科は「狙い目」といえるでしょう。

 

条件⑤ 面接などの対策を十分に行う

人物本位の選考を行うAO入試では、面接が課されるのは定番です。しかも、ただの面接ではなく、受験生の人物像を知るため、深く突っ込んだ質問をしてくるケースが多いようです。小論文、プレゼンテーション、あるいは集団討論などが課されることもあります。

こうした特殊な試験への対策が十分でなければ、合格は難しくなります。学校などがこうした試験の対策を十分に行ってくれるのか、事前に担任の先生に相談し、バックアップ体制を確認しておきたいところです。

 

いかがでしたか? 他にも細かいポイントは色々とありますが、国公立大AO入試を目指す人は、自分が条件をクリアできそうか検討した上で、しっかり準備時間を確保して臨みましょう。