『いい学校』を選ぶポイント 私立中・高編

公立・国立の学校に比べ学費が高い私立の中学校・高校に進学するには、それなりの理由が必要です。

学習指導要領改訂にともなって公立中・高での学習量も増えており、また公立高校が大学への進学実績向上に力を入れるようになったことから、単純に大学合格実績だけを比較すれば、地元の公立中・高に進学する場合も私立中・高に進学する場合もあまり差はないように思われる方も多いことでしょう。

しかし、実際には私立中・高と公立中・高の教育には大きな違いがあります。特徴をよく理解して選べば、進学後・卒業後に「この学校に通って/通わせてよかった」と思える『いい学校』にめぐりあう可能性が高まります。そこで今回は、私立中・高への進学を考える際にチェックしたいポイントをご紹介します。

 

ポイント① 一人ひとりに手をかけてくれるか?

公立中・高によくありがちなのは、先生が忙しすぎ、生徒が問題を抱えていても気づけない、あるいは早期対応ができないというパターンです。特に規模の大きい進学校では、学力的に問題を抱えた生徒が放置され、気づいたころには手遅れ……という事例が少なからずみられます。

そこで、私立中・高に対しては、先生が生徒一人ひとりに気を配り、手をかけ、希望の進路実現に向けたきめ細かいサポートや悩みごとの相談などに対応できるかどうかを確認したいところです。この点が満たされているだけでも、生徒にとって『いい学校』になる可能性がぐっと高まります。また、保護者にとってみても、高い学費を払うわけですから、それに見合った手厚いサービスが受けられるかどうかは気になるポイントでしょう。

 

ポイント② クラス・コース分けは生徒に合っているか?

私立中・高では、生徒の学力・志望に応じたクラス・コース分けが行われていることが多いのが特徴です。学力・志望に合ったコースで学べば、成績が伸び、希望進路を実現できる可能性が高まります。そこで、このクラス分けについて具体的に私立中・高に確認してみることも重要です。

単に学力による振り分けというだけであれば公立中・高でも実施されていますが、学校側が生徒の希望を把握した上で、生徒の進路実現に向けてよりきめの細かいサポートを行えるのが私立中・高の特長です。クラス・コース分けの条件や、各クラス・コースが主にターゲットにする進路、途中でクラス・コースを変更する条件などを学校側に質問してみましょう。

 

ポイント③ 校風・カリキュラムは生徒に合っているか?

私立中・高には、独自の校風やカリキュラムがあります。生徒が自主的に行事を主導する学校、学校が生徒の進路実現のため様々な補習・特別授業を用意している学校、附属大学との連携が充実している学校、あるいは宗教に基づき生徒の心を育てる教育を行っている学校などもあります。意欲を持って通える学校かどうかは学力の伸びにも大きく影響するので、こちらももちろん事前によく確認しておきたいところです。

 

ポイント④ 通学しやすい学校か?

そして、通学についても要チェックです。私立中・高は学校によって立地が大きく異なり、駅のすぐそばにある交通至便な学校もあれば、人里離れた静かな山の中にある学校もあります。しかし、交通が不便な立地の学校はスクールバスを出していることが多いので、バスのコースや利用条件を確認しておきましょう。毎日通うわけですから、安心して通える学校を選ぶのも大切です。

 

積極的な情報収集が重要!

もちろん、他にも条件はいろいろと考えられますが、上に挙げたポイントについては最低限確認しておきたいところでしょう。そして、事前に学校の先生などと直接話す機会を見つけて、積極的に情報収集するのが重要です。ホームページ上には載っていない情報もありますので、気になることがあれば学校側にどんどん質問してみましょう。