小論文には『書き方』だけでなく読解力も必要!

小論文の学習というと、まずは『書き方』の学習をイメージする人が多いのではないでしょうか。

確かに、小論文の技術を身につける上では、原稿用紙の使い方、論理構成の立て方、あるいは小論文にふさわしい表現など、文章を書く能力を高める必要があることは言うまでもありません。そのため、受験生を対象に行われる小論文の講座は、書く能力を鍛えるものが中心となっているようです。

しかし、小論文が出題される学校を受験する人は、こうした『書く』能力だけでなく、評論文の読解についても学んだほうがいいのです。なぜでしょうか?

 

理由① 読解力を高めれば、書く能力も磨かれる!

その理由は、大きく分けて2つあります。

1つ目の理由は、評論文を学び読解力を高めることで、小論文を書く能力も磨かれるからです。

評論文は、筆者の主張が論理的に展開されるという点で小論文と共通しています。論理展開を行う上で、問題提起、たとえ、対比、言い換えなどの様々なテクニックが使われますが、これらのテクニックは小論文でももちろん役立ちます。評論文を学ぶことは、小論文に必要なテクニックを学ぶことでもあるのです。

また、評論文で用いられる抽象的な語句は、日常生活ではなかなか使わないものです。しかし、評論文を読み込むことで、抽象的な語句のイメージが身につき、小論文でも抽象的な語句と具体的な語句を使い分けることができるようになります。つまり、小論文に必要な語彙を習得する上でも評論文は役立つのです。

 

理由② 入試では課題文型小論文が中心

もう一つの理由は、入試の小論文は文章読解をともなう傾向にあるからです。

小論文入試では、まず課題文を読ませ、その内容を踏まえた小論文を書かせる、いわゆる課題文型小論文が主流になってきています。特に、進学校といわれる高校の推薦入試や大学入試では、その傾向が強くみられます。中には、国語の問題と同じように、本文中の傍線部についての設問がセットになっている試験もあります。

そこで、問題作成者の問いかけに対してしっかりと答えられる小論文を書くには、まず課題文を正確に読み取る必要があり、そのためには入試の素材になる評論文の読解力を鍛えておくべきなのです。

 

小論文と評論文をバランスよく学ぼう

このように、小論文の力をつけていく上では、評論文もしっかり読解する必要があります。小論文と評論文は、車の両輪のようなものです。小論文そのものの勉強ばかりにかたよることなく、両者をバランスよく学んでいきたいものです。