教育分野にも活用が進むICT 受験環境への影響は?

「ICT」という言葉をご存知でしょうか? これは「Information and Communication Technology」の略で、ITとほぼ同義語です。「Communication」を表すCを間に加えたことで、通信・伝達・交流といった分野の存在感が強く打ち出されました。

 

ネットワークの発達に伴い、さまざまな分野にICTの技術が導入されています。それは教育分野においても例外ではありません。

今回はICT導入による教育現場の変化と、受験環境に及ぼす影響について紹介します。

 

ICT導入が進む教育現場

世界中のさまざまな分野においてICTを活用した情報化は、ますます発達していくことが予想されます。総務省では、平成26年度から教育・学習用クラウドプラットフォームの実証及び標準化に取り組み、教育分野のICT化の全国展開を推進しています。また、文部科学省でも学校教育の現場にICTを活用することを推進しています。

 

今までは、機器の保守や点検などを行う人材が足りないといった問題もあり、ICTの導入は思うようには進んでいませんでした。文部科学省によると、全国の小・中・高校の公立学校・普通教室における校内LAN整備率は、平成18年では56.2%でしたが、平成25年には85.6%になっているなど、教育現場での普及は確実に進んでいるようです。

 

具体的には一人一台のタブレット端末を用いた授業の実施や、過疎地の小学校でテレビモニターと電子黒板を用いた遠隔授業を行う実証事業が実施されているなど、さまざまな形でのICT導入が進んでいます。

スマートフォンやパソコンといったネットワーク環境が身近にある環境で育った子どもたちにとっては、タブレット端末を用いた学習の方がなじみやすいのかもしれません。

今後、学校での勉強は、ICTを交えた形へシフトしていくことでしょう。

 

受験勉強に活きるICT

このように、ICTは教育現場に浸透しつつあります。その流れは受験勉強にも及んでいます。

顕著な例の一つといえるのが、ICTを用いた受験講座の登場です。「受験サプリ」などの動画配信コンテンツによる講義は、パソコンやスマートフォンなどで気軽に授業が受けられる上、受講料も予備校と比べると安いことから、すでに高い人気を集めています。

 

また、英検では実用英語技能検定がリニューアルし、スピーキングテストが2016年度第一回検定からスタートします。4級と5級に限られていますが、インターネットを通じて自宅で試験が受けられます。このように、ICTの取り組みが進めば資格試験の形も変わってくるかもしれません。

 

とは言え、現状での受験におけるICT導入の動きは、まだまだ始まったばかりです。今後の動きを先取りする意味でも、ICTの活用に注目する意味は大きいのではないかと思います。