文武両道を実現するヒントを探る

野球の甲子園やサッカーの天皇杯など、高校生のスポーツ大会で活躍する高校を見ていると、スポーツ名門校だけでなく、偏差値の高い高校も意外と多いことに気づきます。偏差値60を超える難関高校で勉強も一生懸命やりながら、スポーツでも全国レベルの活躍ができるのはなぜなのでしょうか。今回は、彼らを通じて文武両道を実現するヒントを探っていきたいと思います。

 

小・中学校から文武両道の基礎づくりを!

まず、小学校で文武両道の基礎ができている人が多いことに注目です。

文武両道の進学校、特に私立校の多くは中高一貫校です。中高一貫の進学校に進学する生徒は、中学入学前に厳しい受験勉強を積んでいるため、中学・高校で学ぶための基礎的な学力がしっかりしているのはもちろん、子どものころからスポーツをしながらも毎日勉強する習慣ができています。つまり、小学生のときにできた下地が、高校での活躍を支えているのです。

また、公立の進学校の生徒にも同様のことがいえます。公立の進学校に入るためには、内申点が高くなければなりません。どんなにスポーツの実績があっても、スポーツ推薦制度があっても、5段階評価で4以上の評価がとれないと合格できないことが多く、そのためには中学校の勉強を高いレベルでこなさなければなりません。たとえ練習で疲れていても、1日1日の学校の勉強に真剣に取り組むのが重要なのは言うまでもありませんが、それを支える小学校時代の基礎学力も負けず劣らず重要です。つまり、小・中学校時代に、スポーツも一生懸命やるけれども勉強もがんばるという姿勢を確立するのが大事だといえます。

 

『考えながら行う練習』が成果を生む

また、テレビで文武両道の学校のチーム紹介を見ていると、練習環境が決して恵まれているわけではないことに気づきます。勉強との両立のため朝練がなかったり、グラウンドが他の部と共用だったり、1日の練習時間が1~2時間しかなかったり……。こうした悪条件を乗り越えるため、指導者は生徒たちによく『考えながら行う練習』をさせています。『何のための練習か』『上手くプレイするためには何が必要か』『この場面で考えるべきことは何か』ということを常に考え、短時間でも成果を挙げられるような練習を積み重ねて、彼らを全国の舞台へと押し上げているのです。

 

『考えながら行う勉強』も実践しよう

これは、勉強にもそのまま応用することができます。スポーツと勉強を両立するということは、スポーツだけでなく勉強にも十分な時間がとれないことを意味します。そこで、『考えながら行う勉強』を実践することが重要になります。『何のための勉強か』『成果を上げるためには何が必要か』『この問題で考えるべきことは何か』と、常に頭をフル回転し、短時間の勉強でも効果を高める工夫をしていきましょう。