近畿大学の志願者数No.1獲得で注目の「インターネット出願」とは?

2014年度の私立大学の一般入試志願者数において、近畿大学が明治大学を抜いて1位を獲得しました。そして2015年度の志願者数ランキングでは1位を維持しただけではなく、2位から5位までの大学が昨年よりも志願者数を減らしている中、+7,815人という高い志願者数の増加を示す結果となりました。

 

その大きな理由として紹介されているのが「インターネット出願の導入」です。

このインターネット出願には、どんなメリットがあるのでしょう? また、問題点はないのでしょうか? 今回はそういった様々な疑問について説明したいと思います。

 

インターネット出願のメリットとは?

インターネット出願の何よりも大きなメリットと言われているのは、従来の方法に比べて手間がかからないということです。

 

インターネット出願では大学に願書を請求する必要もなく、ネット環境さえあればすぐに出願することができます。ただし、すべての作業がインターネット上で行えるわけではありません。調査書や証明写真といった書類は郵送で大学に送る必要があるので、期間内にきちんと送付するように注意しましょう。

 

もう一つ挙げておきたいのは、インターネット出願を行っている大学には「ネット割」を実施している所も多く、通常の出願よりも安く受験ができるようになっていることです。受験にはお金がかかるものなので、少しでも費用を抑えられるのは嬉しいですよね。

 

注目のインターネット出願、導入の傾向は?

2015年に521校の私立大学に対して行ったアンケートによると、2015年度以前からインターネット出願を導入している大学は30.6パーセント。2016年度の試験に導入を決定している大学は12.6パーセント、また導入を検討中の大学は1.9パーセントであったそうです。

この結果を総合すると、2015年度の段階ですでに30パーセント以上の私大がインターネット出願を導入していることが分かります。さらに将来的に導入を考えていると回答した大学も26.2パーセントあり、今後はさらに多くの大学がインターネット出願を導入するものと考えられ、もはや私大の受験方法として一般的なものになりつつあるようです。

 

インターネット出願の問題点は?

現状では、インターネット出願に対して大きな問題が指摘されているといったことはないようです。ですが、だからといって注意することが何もないというわけではありません。

 

簡単に出願できるという気軽さから、高校や予備校の先生に相談しないまま出願してしまうケースも多いようです。そのため指導者が受験生の出願状況を把握しにくく、教育現場からはきちんとした指導ができないという意見も挙がっています。

 

全ての受験生がパソコンやスマートフォンといったインターネットに接続できる手段を持っているわけではないため、今以上にインターネット出願の導入が進むとネット環境のある生徒と無い生徒の間で格差が生じることも心配されています。また、大学側からは個人情報の流出を心配する意見も多く、インターネット出願を導入しない大学の多くがこの問題を理由に挙げています。

 

色々な配慮や整備が必要なようですが、今後もインターネット出願が広がっていくのは間違いないでしょう。受験をより効率的に、また経済的に行うためにも、この存在を覚えておくといいかもしれません。