受験者に大きな影響を与える定員削減

公立高校の定員は常に一定というわけではなく、増やされたり減らされたりすることがあります。かつて子どもの数が全国的に増えていた時代には、公立高校の入学定員は増やされる傾向にありましたが、逆に近年は少子化の進行にともない入学定員の削減が行われるようになってきています。

 

定員削減は多くの場合、クラス単位で行われます。そのため、定員削減が行われると、入学定員が1クラス分減少することになり、受験者は大きな影響を受けます。今回は、定員削減が行われた場合の対応について考えてみます。

 

第一志望校で定員削減が行われたら、どうしよう?

まず、自分の第一志望校で定員削減が行われた場合、どのように対応するのがよいのでしょうか。

 

ほとんどの場合、定員は1クラス分ずつ減らされます。1クラス減というのは結構インパクトがあり、定員減少前と同じくらいの生徒が受験した場合、今まで合格ラインギリギリのレベルだった人は合格が難しくなってしまいます。そのため、受験をためらう生徒も出てくるのですが、ここで受験をあきらめてしまうのは早計です。

 

受験をためらうのは他の受験生も同じです。定員減が行われた高校では、多くの受験生が警戒して受験校を変更した結果、実際には受験倍率が大きく下がったり、ひどい場合には定員割れしたりするケースもみられます。こうなれば、逆に合格の可能性は上がりますね。特に、偏差値の高い進学校でこうした事態は起こりやすいです。

 

簡単に受験をあきらめてしまうのではなく、第一志望校の倍率が高かった場合に別の高校に志願変更するのか、それとも私立高校を押さえとしてあくまで第一志望校を目指すのかを決めておいて、まずは第一志望校を目指して受験勉強に励みましょう。そして、出願後に発表される第一次の倍率発表を見て、別の高校に再出願するべきかどうか考えましょう。

 

定員削減が行われる高校以外にも影響が!

一方、自分の志望校以外の高校で定員削減が行われた場合でも、志望校の受験に影響が出ることがあります。定員削減が行われた高校を警戒して、近隣の他の高校に受験生が流れてくることがあるからです。

 

公立高校入試の定員は、都道府県の教育委員会が前年秋ごろに発表します。ホームページ上で公表されるので、それを見て近隣の高校で定員変更が行われたかどうかを確認しておきましょう。これと、偏差値のランキング表を見て、自分の志望校と同レベル、もしくは志望校より少し合格ラインが高い高校の定員減が行われていた場合には、自分の志望校の倍率が上昇することを覚悟しておいたほうがいいでしょう。

 

実力があれば、定員減も怖くない!

もちろん、まずは、志望校の定員が減らされたり多少ライバルが増えたりしても合格できるよう、学力を高めておくことが重要です。定員減やそれにともなう倍率上昇の影響を受けるのは、合格ラインギリギリの生徒です。きちんと受験勉強をして、上位で合格できる実力をつけておけば、定員減も怖くありません。情報収集もしつつ、上位合格を目指して受験勉強をがんばりましょう!