子どものやる気を引き出す褒め方とは?

 

子どもに積極的に勉強してもらうためには、褒めてやる気を引き出すことも大切です。

しかし、とにかく褒めれば良いというわけではありません。言葉選びや褒めるポイントを間違えると、子どもがかえって落ち込んでしまったり、プレッシャーを感じたりする可能性もあるのです。

 

それでは、上手に子どもを褒めるには、どうしたらいいのでしょうか?

今回は上手な褒め方と、受験を控える子どもとのコミュニケーションで注意すべきポイントを紹介します。

 

褒めることのメリットとデメリット

「子どもを褒めて伸ばすのは良いこと」だと多くの人が、思っているのではないかと思います。

たしかに、褒めることは人の気持ちを前向きにさせる大切な行動の一つです。

特に教育という観点では、子どもの才能を伸ばすには褒めることが鉄則だと言われています。

褒めることで自信がついたり、良い習慣につながったりと、さまざまなプラスの効果をもたらすこともあるでしょう。しかし、メリットばかりではありません。受験を控えている子どもを褒めることで、悪影響が及ぶこともあるのです。

上記でも述べたように、褒められたことで自信ややる気が出たりしますが、強いプレッシャーを感じてしまう可能性もあります。

 

「受験うつ」という言葉をご存知でしょうか? その名のとおり、受験期に発症するうつ病で、受験のプレッシャーや、勉強をする気がおきずモチベーションを失う、他人と比較して劣等感を抱いてしまうなど、さまざまな理由から発症するようです。

 

受験うつの子どもを褒めると、かえって心理的な負担を感じ、さらにネガティブな状態に陥る可能性が高くなります。

 

子どもを伸ばす褒め方とは?

それでは、子どもに前向きな気持ちになってもらうためには、どういった点に注意すれば良いのでしょうか。

 

まず気を付けるべきことは、褒めた後すぐに次の目標を言わないことです。

例えば、テストの点数がいつもよりも良かったと報告された時、「すごい!」と褒めた後すぐ「じゃあ、次は100点目指そうね」などと言ってはいけません。頑張っていつもよりも高い点をとったのに否定された気持ちになり、次のテストへのモチベーションを失ってしまいます。

褒める時には「すごいね! お母さんもうれしいよ」とか「よく頑張ったね」など、自信につながる、努力を肯定するような言葉をかけるようにしましょう。

 

しかし、受験うつの子どもをほめる時は、特に注意を払わないといけません。

その場しのぎの抽象的な褒め方は、子どもであってもその言葉に感情が込められてないと気付くものです。だからといって大げさに褒めると、過剰な期待がかけられていると感じて、余計に負担を感じてしまいます。

受験うつの子どもを褒めるには、子どもの勉強経過を観察し、細かくても成果のあった点を具体的に指摘するようにするでしょう。これを続けることによって、自信も少しずつ回復してくるようです。

 

褒めることは子どもの能力を引き出すことができますが、そのときの子どもの状態に合わせた言葉や配慮が必要です。「子供をほめる」という行為には、受験勉強にどれだけ真剣に向き合えるかという、親の姿勢が問われているのかもしれません。