勉強がはかどるのは、本当に朝?

「朝型にしたほうが勉強がはかどる」なんて話を聞いたことがありませんか?

 

特に最近では、社会人の間でも「朝活」なんて言葉が広く使われており、朝に頭や体を使うメリットが注目されるようになってきました。

 

実際に、受験に成功した人たちからも、「朝型にしたおかげで勉強がはかどった」「朝のほうが集中できる」といった意見が聞かれます。

 

それならば、誰でも勉強時間を朝にしたほうが勉強の効率が上がるのでしょうか?

 

朝型のメリットは?

まずは、朝型のメリットについて紹介しましょう。

 

朝型をすすめる人の意見の中で特に多いのは、「朝型のほうが勉強がはかどる」「集中できる」といったものです。

 

その意見については、たしかに科学的な根拠が存在しています。朝は交感神経が働き始めるため、集中しやすい時間帯であるといえます。

 

しかも、人には睡眠中に海馬に蓄積された記憶を整理する働きがあるといわれており、朝の脳は前日の記憶が整理されて、新しい記憶を蓄える準備が整った状態になっています。

 

たとえるなら、朝の脳は「ノートの新しいページを開いた状態」といったところでしょうか。ほかの記憶がまだ脳に詰め込まれていないこの時間帯は、新しい情報を吸収するのに適しているのです。

 

「暗記がはかどる」という意味では、たしかに朝型の勉強のほうが効果があるといえそうです。集中力が高まるという説にも、はっきりとした根拠があるといえます。

 

しかし、朝型ならではのデメリットもあります。起きたばかりの時間帯は、前頭葉がまだ活性化していません。そのため暗記には向いていても、計算などの頭を使う勉強にはあまりおすすめできません。

 

朝型と夜型には共通するメリットが!

それに対して、夜型の場合はどうでしょうか。勉強には朝型がいいという話を聞いても、実際には夜型の勉強を続けている人のほうが多いのではないでしょうか。

 

朝型のメリットの1つとして「暗記がはかどる」というポイントをあげましたが、じつは夜型の勉強も暗記に向いているといわれています。

 

前の項で、人は睡眠中に記憶を整理すると書きました。朝の脳が整理が終わったまっ白な状態であるのに対して、夜に覚えた情報は、脳が整理をする直前の、「もっとも新しい記憶」ということになるのです。つまり、理由は違うものの、眠る前の夜の暗記も記憶に残りやすいのです。

 

そのため、朝に一度暗記した内容を夜に復習することが、確実に暗記を定着させる方法なのです。

 

ただし、夜は疲れがたまっているので、疲労によって頭が冴えていなかったり、眠くなってしまうというデメリットがあります。夜にたくさん勉強するには、眠気という誘惑に打ち勝たなければいけません。

 

朝型と夜型には共通している部分もあることがわかりましたが、頭がすっきりしているという長所があることも考えると、やはり朝型のほうがメリットが大きいといえそうです。

 

しかし、だからといって誰もが朝型にすればいいかというと、けっしてそうとは言い切れません。なぜなら人にはそれぞれの生活リズムというものがあり、勉強に適した時間帯が誰でも同じであるとは限らないからです。

 

まずは、実際に朝型と夜型の勉強をそれぞれ試してみて、はかどる時間帯を探してみましょう。今回の情報も参考の1つにして、効率よく勉強ができる方法を模索してみてください。