国が土曜日の学習を推進。地域で進む「土曜塾」の取り組みとは?

「子供の週休二日は当たり前!」なんて思っている方はいませんか?

 

その意見はもしかしたら、ごく一部の考えかもしれません。

 

私立では土曜授業を実施している学校も珍しくはありませんし、土曜日が休みでも、塾へ行ったり習い事をしたりと、何かしらの活動に費やしている子がたくさんいます。このような取り組みの違いは学力にも差をもたらし、後になって受験に影響をおよぼす可能性もあります。

 

こうした状況を反映してか、2013年には文部科学省が学校と塾や地域との連携による、土曜授業の取り組みを推進することを発表しました。この動きを受けるように、さまざまな地方自治体が活動をはじめています。

 

それぞれの地方自治体が行っている土曜授業の取り組みとは、果たしてどのようなものなのでしょうか?

 

ここではすでに活動をはじめている地方自治体のうち、2件の具体的な取り組みについて紹介します。

 

鹿児島県が進める土曜授業

鹿児島県では、県内の小・中学校の土曜授業の普及を目指した取り組みを行っています。

 

実際に取り組みを行うのは県内の各市町村となるため、まずはそれぞれの教育委員会に対して円滑に実施するための検討を行い、その結果をもとに各市町村に留意事項の通知を行いました。

 

それを受けて、2015年度には43市町村のうち526校の公立小学校と226校の公立中学校が、基本的に毎月1回の土曜授業を行っています。

 

取り組みの内容は学校によって異なるものの、「学校で習った内容を補強するため」「普段の授業では学べない内容に取り組む」といった、特別授業や体験学習等を行っています。

 

地域が一体となって多彩な学びを提供する「みやこ子ども土曜塾」

京都市教育委員会が実施している「みやこ子ども土曜塾」の取り組みは特に進んだものであり、自治体の活動の枠を超えていると言っても過言ではありません。

 

この取り組みでは土曜日などの休みの日に、市内の企業や大学、博物館に神社仏閣、NPOといった多くの団体が、それぞれの特性を活かした体験学習を実施しています。参加している団体は非常に多く、提供されている学習の内容も多岐にわたります。

 

そこでは英会話教室やそろばん塾、計算教室といった、学力の向上につながる授業もたくさん開催されています。中には費用がかかるものもありますが、普通の塾よりも安い金額で特別な授業が受けられるのは、大きな魅力であるといえるでしょう。

 

今回紹介したのは2件だけでしたが、他にもさまざまな地方自治体が、独自の取り組みを行っています。

 

これをきっかけに、自分の住んでいる地域での教育に注目してみるのも良いでしょう。

 

休みをもてあましている子どもにとっては有意義といえる土曜授業ですが、何よりも大切なのは子ども自身が勉強をする意欲を持ち、積極的に取り組むことです。

 

まずは勉強をする大切さや楽しさを伝えることが、一番大切な授業なのかもしれません。