浮力 の計算式を学んで、物理の苦手対策を

物理が苦手だと感じている人の多くは、その理由の1つに計算が多いことをあげるのではないでしょうか。

 

たしかに、物理は覚えなければいけない計算式が多く、理解するまでに時間がかかってしまいます。文系はもちろんのこと、理系の中にも、物理を避けたいと考える人は少なくないことでしょう。

 

そんな物理の計算の1つに「浮力の求め方」があります。

 

浮力というのは文字通り、水の中にある物体が浮き上がる時に必要な力のことです。

 

浮力を求めるためには圧力や物体の体積など、さまざまな要素が関係してくるため、求め方も複雑になってきます。

 

今回は、そんな浮力の求め方を紹介します。

 

浮力の求め方は?

最初にはっきりと言うと、浮力(F)の求め方は(F=ρVg)となります。このρは水の密度、Vは物体の体積、そしてgは重力加速度になります。

 

どうしてこのような形で浮力が求められるのでしょうか? その理由を説明します。

 

水の入った容器の中で、直方体が半分くらいの深さに浮かんでいる図をイメージしてください。

 

この状態の直方体には、さまざまな力がかかっています。まずは直方体の上面から下に向かって動かす圧力(P1)と、下面から上に向かって押す圧力(P2)を求めます。

 

これらの圧力を求めるためには、流体の圧力の式(P=P0+ρgh)を用います。

 

ここで示されているP0とは大気圧です。そしてhは物体の上面(P1)と下面(P2)の位置する深さになります。

 

この式に代入して、それぞれの圧力を求めます。

P1=P0+ρgh1

P2=P0+ρgh2

 

そして浮力は、下面を押す力(P2×S)から、上面を押す力(P1×S)を引いた値となります。Sは上面と下面それぞれの面積ですが、これは直方体なので、同じ値となります。

 

この式の形を変換してみましょう。以下の式に出てくるlは高さをあらわしています。

 

(P1×S)-(P2×S)

=(P1-P2)×S

={(P0+ρgh1)-(P0+ρgh2)}×S

=(h1-h2)×ρgS

=l×ρgS

=ρg(l×S)

=ρVg

 

となり、浮力の公式に行き着くのです。

 

アルキメデスの原理、パスカルの原理とは?

最後にもう1つ、浮力に関係ある「アルキメデスの原理」「パスカルの原理」という2つの原理について説明しましょう。どちらも、名前を聞いたことはあっても、具体的にどんなものかは知らないのではないでしょうか?

 

まず、アルキメデスの原理というのは「浮力の大きさは、その物体が排除した流体の重さに等しい」というものです。

 

どういうことかというと、例えばお湯をいっぱいにはったお風呂に頭まで入ると、お湯があふれ出してきます。ここであふれたお湯の重さは、入った人の体重と同じになります。

 

このように「お湯に入った人の身体にかかる浮力は、あふれたお湯の重さに等しい」というのが、アルキメデスの原理です。

 

そしてパスカルの原理というのは「気体や液体の中で物体が制止している場合、その物体にはあらゆる地点に均等な圧力がかかっている」というものです。

 

ある点にだけ強い浮力や圧力がかかっていると、力の働く方向へ移動してしまいます。

 

つまり制止しているということは、全ての点にかかっている力が同じであると考えられるのです。

 

今回は浮力に絞った内容をお伝えしましたが、最初にお話ししたように、これは物理で習う内容のほんの一部です。数多くの計算をマスターしていくのは簡単なことではありませんが、一つ一つ丁寧に理解していけば、物理も貴重な得点源になることでしょう。

 

しっかりと時間をかけて、地道に勉強を続けることが大切です。