受験生物の頻出分野、メンデルの法則を勉強しましょう

 

生物の中で出題される「遺伝」。生物の中でも重要な内容であり、試験においても出題される機会の多い分野ですが、苦手だと感じている人も少なくないでしょう。遺伝がきっかけで生物につまずき、苦手科目になってしまった人も多いはずです。

 

遺伝の基礎であるメンデルの法則には「優性の法則」「分離の法則」「独立の法則」など、さまざまな言葉があるのも、この分野をややこしくしている一因であるといえるでしょう。

 

今回は、そんな遺伝を理解するための参考になるように、さまざまな用語の内容を、身近な例である血液型などを用いて説明します。

 

優性の法則とは?

まずは「優性の法則」と呼ばれる法則について説明しましょう。

 

「花弁が黄色い」「片方の羽がやや短い」といった遺伝によって受け継がれる特徴は「形質」と呼ばれています。

 

しかし異なる形質を持った植物や動物が交配すると、どちらか片方の形質だけがあらわれることがあります。これがメンデルの「優性の法則」と呼ばれるものであり、形質が残る遺伝子は「優性遺伝子」、残らない遺伝子は「劣性遺伝子」といわれています。

 

この法則を、血液型でたとえてみましょう。

 

血液型がA型の人とO型の人が結婚して、子どもが生まれたとします。厳密には、AA型とOO型であるとします。

 

その場合、生まれてくる子どもの血液型はすべてA型となります。

 

ただし、厳密にいうと、子どもの血液型はすべてAO型となっています。これはA型が優性遺伝子、O型が劣性遺伝子であり、優性の法則によってA型の形質があらわれたのです。

 

分離の法則とは?

生物が生殖細胞を作る際には、減数分裂の影響で形質遺伝子がバラバラになります。この遺伝子が再び組み合わさることによって、新しい形質遺伝子が作り出されるのです。

 

このように、形質遺伝子が分離した後で再び組み合わさる現象を「分離の法則」と呼ぶのです。

 

ここでも、血液型を用いて説明しましょう。

 

AO型の人同士が結婚し、子どもが生まれた場合、分離の法則によってA型の形質遺伝子とO型の形質遺伝子が分離して、再び結びつくことになるのです。

 

AO型の形質遺伝子同士が分離し、新しく作りだされると、AA型とAO型とOO型の形質が1:2:1の割合であらわれます。そのため、血液型がA型になる確率とO型になる確率は3:1となります。

 

独立の法則とは?

分離の法則の紹介の中で、血液型がA型とO型の割合が3対1になることを説明しました。

これを別の例に置き換えて、丸い種(AA)で黄色い子葉(BB)の遺伝子と、しわのある種(aa)で緑色の子葉(bb)の遺伝子を持つ植物を掛け合わせます。

 

こうして誕生したAaBbの遺伝子の植物同士を掛け合わせると、丸い種で黄色い子葉(AB)、しわのある種で黄色い子葉(aB)、丸い種で緑の子葉(Ab)、しわのある種で緑の子葉(ab)の4種類の植物が誕生しますが、種と子葉という異なる形質を別々に比較すると、丸い種とシワのある種の割合は3:1、黄色い子葉と緑の子葉の割合も3:1となります。

 

このように、遺伝の際には違う形質同士は互いに影響を受けることはなく、独立しているのです。これを「独立の法則」と呼ぶのです。

 

ここまでメンデルの法則についてお伝えしましたが、いかがだったでしょうか。今回はごく基本的な内容のみに留めましたが、実際には分離の法則には例外があるなどの細かい情報も把握して、試験に備えてください。

 

メンデルの法則は遺伝という分野では入口にあたるため、ここでつまずくとその後の理解にも大きく響いてしまいます。是非ともしっかり勉強して、ここで遅れをとらないように配慮してください。