古文の定番、徒然草の基本情報を紹介します

 

国語の出題分野の1つである古文。現代文は得意だけど、古文は事前に覚えておかなければならない知識が多すぎて、苦手意識を感じている人も少なくないでしょう。

 

そんな古文には、定番とも呼べる作品がいくつか存在します。

 

ここで紹介する「徒然草」も、その1つです。

 

「つれづれなるままに、日くらし、硯にむかひて…」という序段の書き出しは、古文などの授業でなんとなく覚えている人も少なくないでしょう。しかし、この作品はいつ・誰が書いたものなのか、どういった内容なのか、そもそもどういったジャンルなのか……といった具体的な情報まで記憶している人は、あまりいないかもしれません。

 

定番の作品であるだけに、試験で出題される可能性も充分にあり得ます。その時に困らないように、徒然草に関する基本的な情報について確認しましょう。

 

徒然草はどんな作品か?

徒然草が書かれたのは、鎌倉時代の末期。14世紀の前半にあたります。

 

作者の名前は吉田兼好(よしだけんこう)ですが、兼好法師(けんこうほうし)と呼ばれることもあります。

 

吉田兼好に関してはわかっていない部分も多く、生没年についても、生年は弘安6年(1238年)くらい、没年は文和元年(1352年)くらいだと推測されているものの、確信は得られていません。

 

徒然草のジャンルは「随筆」に該当します。随筆というのは今で言うエッセイのようなもので、作者である吉田兼好が日々の出来事の中で感じたことを書き綴っているのです。

 

物語と勘違いしている人も多いようですが、間違えないように注意しましょう。

 

徒然草の出題例

過去の試験では、徒然草に関するどのような問題が出されたのでしょうか?

 

基本的な情報を踏まえたところで、一例を見ていきましょう。

 

まず、前述では徒然草を随筆というジャンルに属すると説明しました。

 

徒然草は「枕草子」と「方丈記」と並び、三大随筆の1つとされています。この三大随筆を問う問題が出題されることもあるので、覚えておくようにしましょう。

 

また、古文の基本として、文章の現代語訳も問われます。

 

過去の出題例をあげていくとキリがありませんが、代表的なものでは序段の「つれづれなるままに(やることもなく)」「よしなし事(とりとめもないこと)」をはじめ、第137段「花は盛りに」の「隅なきをのみ見るものかは(曇りのないものだけをみるものであろうか、いやそうではない)」など、段によってさまざまな問題が出題されます。

 

徒然草は長大な随筆集なので、その内容をすべて覚えておくのは不可能です。そのため、暗記は作者の情報や成立した時期といった背景、余裕があれば序段の把握が限界だと言わざるを得ません。

 

定番の作品とは言えど、幅広い問題に対応するためには、やはり古文の基礎力をつけることが肝心なのです。国語で得点力をあげるためにも、古文に取り組む機会を増やしましょう。