受験に向けて覚えておきたい、万葉集の基礎知識

古典の授業で、「万葉集」という言葉を聞いたことがあるでしょう。

 

日本で最も古いとされるこの和歌集は、古典の基本的な文献の1つです。

 

試験に出る可能性もあり、受験に備える上で理解しておきたい題材の1つです。

 

今回は、そんな万葉集の中でも、特に知っておいてほしいテーマについて紹介します。

 

謎が多い万葉集

万葉集は、全20巻で歌は約4,500首にもおよびます。

 

万葉集が編集された時代や編者については、詳しいことはわかっていません。ただ、現在では何人かの手によって複雑な過程を経て編集が行われ、最終的には大伴家持(おおとものやかもち)によってまとめられた可能性が高いと考えられています。

 

万葉集におさめられている歌の内容は?

万葉集におさめられている歌は、大きく「相聞歌」「挽歌」「雑歌」の3つに分けることができます。それぞれの歌の概要は、以下のようになります。

 

・「相聞歌」…恋人同士や、親子、兄弟、友人など、親しい間柄で交わされた歌

・「挽歌」…亡くなった人について詠んだ歌

・「雑歌」…相聞歌と挽歌以外の歌

 

万葉集の代表的な歌人は?

万葉集には数多くの歌人が登場しますが、その中でも特に有名な歌人について紹介します。

 

・額田王(ぬかたのおおきみ)

万葉集の初期の時代に多くの作品を残した、代表的な女流歌人です。生没年は不詳です。しかし、大海人皇子(おおあまのおうじ・後の天武天皇)に召されて十市皇女(とおちのひめみこ)を産み、後に天智天皇に愛されて、近江の大津宮に仕えたといわれています。

 

・柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)

生没年は不詳ですが、万葉集の中に20首の長歌(五・七を三回以上繰り返して、最後に七音を加える形式)と60首の短歌を残している、重要な歌人の1人です。歌を詠むことを仕事とした「宮廷歌人」として朝廷に仕えました。

 

・山部赤人(やまべのあかひと)

奈良時代の初期から中期にかけて活躍しており、万葉集の第3期を支えた歌人の1人です。自然の風景の表現を得意としており、長歌13首、短歌37首が万葉集に収録されています。

 

・大伴家持(おおとものやかもち)

奈良時代に活躍し、万葉集の第4期にあたる時代を支えた歌人であるといわれています。万葉集の編集に関わっていると考えられているだけではなく、万葉集の歌人の中で最も多くの歌がおさめられていることでも知られています。

 

万葉集に見られるテクニック「修辞法」とは?

短歌における表現を豊かにするための「修辞法」があります。

 

ある特定の言葉を導くために直前に置く「枕詞」や、同じ言葉に2つ以上の意味を持たせる「掛詞」、和歌の末尾を体言で終わらせる「体言止め」、背景を具体的にイメージさせるために用いる七音以上の「序詞」など、さまざまな手法があります。

 

和歌の知識として問われる可能性があるので、勉強する際にはこうしたポイントもおさえてください。

 

ここまで紹介した内容は万葉集の知識のほんの一部であり、充分な知識を得るためにはより詳細な内容が書かれたテキストを読み込むことが大切です。古典での高得点を目指している人は、より深く万葉集について学ぶことをおすすめします。