「産学連携」に注目して、大学への活動の理解を深めよう

テレビやインターネットのニュース、または新聞の記事などで「産学連携」「産学官連携」といった言葉を目にしたことはありませんか?

 

メディアに取り上げられることもある産学連携の取り組みは、大学で行われている活動を具体的に知るヒントになります。自分のやりたいことを実現できる大学かどうか判断する参考になる場合もあるでしょう。今回は、産学連携の取り組みに注目します。

 

産学連携とは?

産学連携というのは、大学や大学院と民間企業が連携して、新製品の開発や新しい事業の創出、技術開発、地域の発展につながる活動といった、さまざまな取り組みを行うことです。大学と民間企業に加えて、国や自治体も共同で活動する場合は、産学官連携と呼ばれます。

 

文部科学省が公表した「平成27年度 大学等における産学連携等実施状況について」の中では「民間企業との共同研究受入額が初めて450億円を超える」「民間企業からの受託研究(大学等が民間企業等からの委託を受けて主として大学等のみが行う研究)費受入額が3年連続で100億円を超える」「特許権実施等収入額が初めて25億円を超える」といった状況が紹介されており、近年、産学連携の取り組みが活発に行われていることが示されています。

 

産学連携の例

実際に行われた産学連携にはどのようなものがあるのか、最近の取り組みの事例を紹介します。

 

・金沢工業大学がオリジナルの文房具を開発

金沢工業大学は金沢市の印刷会社と連携し、オリジナルの文房具の開発を進めるプロジェクトを実施しました。学内コンペでメモブロックや付箋紙といった商品のアイディアを募集したところ、コーヒーや水がこぼれたような形をしたユニークなメモパッドが採用され、2017年6月に発売されました。

 

・岩手大学が産学官連携で作品の展示会を実施

2017年の6月、岩手大学のインダストリアルデザイン研究室の有志が、岩手県のいわて県民情報交流センターで作品の展示会を行いました。

展示された作品は産学官連携の共同研究によって製作されたもので、溶けかけのバターのようなデザインの壁掛け時計や、果物に似ている形のジュース用紙パックなど、ユニークな趣向を凝らした作品が並びました。

 

また、この展示会では、2004年から県内の企業や自治体と行った共同研究の成果である、伝統工芸品や商品パッケージなどのデザイン製品の展示も行われました。

 

・愛媛大学と県産業技術研究所、地元企業による特産品の新製品の開発

愛媛大学では、県の産業技術研究所や地元の総合食品メーカーと共同で、県の特産品である「じゃこ天」のすり身を高温高圧でプレスした新製品、「圧焼きじゃこ天」の開発を行いました。

圧焼きじゃこ天はすり身にみかんの果皮が含まれている点が特徴で、このアイディアには農学研究科の教授の提案が反映されています。

 

このプロジェクトでは農学部の学生が考案したネーミングやパッケージデザインが使用されていたり、愛媛大学の学生が作成したCMが大学の公式You Tubeチャンネルで公開されていたりと、学生がさまざまな形で関わっています。

 

 

大学の公式ウェブサイトでは産学連携の取り組みについて紹介している場合が多いので、インターネットを活用すると、どのような活動が行われているかを調べることができるでしょう。

志望校で行われている活動を具体的に知りたい人は、チェックし、参考にしてみてはいかがでしょうか?