AO・推薦入試も大幅に変更!大学入試改革で変わる内容は?

2020年度に実施される大学入試改革では、AO入試と推薦入試の名称と試験内容の一部が変更されることが公表されています。

 

多くの受験生がAO入試や推薦入試を利用していますが、現在の評価基準では充分に学力を把握できないなど、さまざまな問題が指摘されていました。大学入試改革ではこの点に配慮して、新テストか個別テストの導入が義務付けられる方針になっています。

 

ここではAO・推薦入試の変更内容や、導入が予定されている評価方法の概要など、基本的な情報を解説します。

 

多面的・総合的な評価を目的としたAO・推薦入試の改革

文部科学省が規定する大学入学者選抜実施要項において、AO入試や推薦入試では学力検査が義務付けられていません。そのため、一部の私立大学で学力を問わない試験が行われるなど、学力はあまり重視されていないという状況があります。

 

今後の大学入試では、学校教育法の第30条2項で規定されている「基礎的な知識及び技能」「これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力」「主体的に学習に取り組む態度」という要素を評価するものに転換することが目的に掲げられています。そのため、AO入試や推薦入試でも知識や技能、思考力、判断力、表現力を評価できるように、実施要項の見直しが検討されました。

 

文部科学省が公表した平成33年度大学入学者選抜要項の見直しに係る予告では、AO入試を「総合型選抜」、推薦入試を「学校推薦型選抜」と改めた上で、新たに「大学入学共通テスト、または各大学が実施する評価方法(小論文等、プレゼンテーション、口頭試問、実技、各教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の成績)」などによる評価を義務付けています。

 

AO・推薦入試の対策はどう変わる?

AO・推薦入試の名称が総合型選抜と学校推薦型選抜に改められる際には、同時に一般入試(2020年度以降は「一般選抜」に改称)にも導入される「大学入学共通テスト」の結果が、評価基準の1つになる可能性があります。大学入学共通テストでは英語の試験に民間の資格・検定試験の結果が活用されたり(2023年度までは共通テストと併用)、国語と数学のテストで記述式問題が導入されたりと、従来のセンター試験とは異なる内容となります。

 

2020年度以降は新しい大学入学者選抜要項の内容に沿って、大学入学共通テストなどを含む多様な評価方法が適用されます。総合型選抜(AO入試)や学校推薦型選抜(推薦入試)を利用する人はこの点を意識して、各大学の評価方法に合わせて対策を立てる必要があります。

 

総合型選抜と学校推薦型選抜で学力の評価が重視される一方で、大学入学共通テストでも英語の「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能の評価を目的に、民間試験が導入されます。このように、受験生の多面的・総合的な評価をすることが、大学入試改革の大きな特徴と言えるでしょう。

 

制度が変更された際には、どの選択肢を利用する人も苦労するものです。そんな状況でも志望校に合格できるよう、早くから評価方法を把握して、適切な対策を立てましょう。