一夜漬けは要注意!定期テストの経験を活用するポイントは?

定期テストの前日になって集中して勉強をする『一夜漬け』をする人がいますが、この方法で勉強した内容は記憶に定着しにくいという、さまざまな研究結果が発表されています。

 

定期テストで出題される内容は、受験でも基本になる大事なものです。勉強の方法に気をつけて、定期テストで学んだことを受験に活かしましょう。

 

今回は、一夜漬けに関連する研究を紹介し、定期テストの直前にはどのような勉強をすると良いのかをお伝えします。

 

一夜漬けの学習効果は低いことが明らかに

2011年の6月、理化学研究所は学習方法と記憶の持続時間との関係についての研究結果を公表しました。

 

研究グループは、マウスの眼球にみられる『視機性眼球反応』と呼ばれる運動学習に着目しました。マウスに短期間で集中的に学習をさせる『集中学習』を行った場合と、休憩を挟みながら繰り返して学習をさせる『分散学習』を行った場合で、運動学習の効果にどのような差がみられるかを比較しました。集中学習を続けたマウスは半分くらい忘れてしまっているのに対し、分散学習を行ったマウスはほぼ100%記憶していたそうです。

理化学研究所の研究チームは、この結果を受けて「学習には休憩が大切であることが科学的に証明できた」と結論づけています。

 

2015年には、電気通信大学がコンピューターシミュレーションを通して、運動の記憶がトレーニングの後どのように小脳に定着するのかを理論的に明らかにしています。この結果からも、一度にまとめて学習するよりも短い時間にわけて学習した方が、記憶に定着しやすいことが報告されています。

 

効果的な定期テスト直前の勉強方法は?

前述の研究で記憶に定着しやすいとされる、時間をおいてコツコツ続けるような勉強を重ねた上で、テストの直前に特に大切にしてほしいポイントを紹介します。

 

まず大切なのは、苦手を克服することです。

 

今までの勉強の中で覚えきれなかったり、解けなかったりした部分がある場合は、その部分だけをノートにまとめるなどして、苦手な分野を重点的に復習しましょう。この方法なら効率よく復習ができますし、弱点を減らすことで自信をつけることもできます。

 

テストを想定して、一度解いた問題に改めて挑戦することも大切です。テストのリハーサルをするような気持ちで臨み、学習した内容を覚えているかどうかを確認しましょう。

 

ただし、これらの勉強方法は、入念な準備を重ねることで効果を発揮します。余裕があるうちに同じ先生が以前に作成した問題を参考にして試験の傾向を分析し、時間をかけて定期テストの対策を行いましょう。

 

また、定期テストの勉強を通して学んだことを自分の力にするためには、テストの後わからなかった問題を分析したり、解き直すといった復習を行うことも大切です。

 

定期テストに丁寧に取り組んで、入試でも高得点を狙いましょう。