近づく大学入学共通テスト導入。平成30年度に10万人規模のプレテストを実施予定

平成32年度から、大学入試センター試験に代わる「大学入学共通テスト」が導入されます。この新テストでは、英語で「読む」「聞く」「話す」「書く」の4技能を評価するために英語の外部検定が活用されたり、国語と数学の試験で記述式問題が導入されたりと、大幅な変更が行われます。

 

その準備の一環として、平成29年度から年に1回、プレテストが実施されます。中でも平成30年度に実施されるテストは、10万人規模の大きなものを予定していることが公表されています。今回は、大学入試センターが公表した平成29年度と平成30年度のテストの情報を中心に、大学入学共通テストのプレテストの概要をお伝えします。

 

プレテスト導入の概要

大学入試センター試験に関する業務を行う独立行政法人大学入試センターは、大学入学共通テストへの移行が円滑かつ確実に行われるよう、モデル問題の公表やプレテストを実施し、新テストの導入に向けて検討を進めています。

 

平成29年度の11月に実施されるプレテストは5万人規模で、一部に高校3年生以上を含む高校2年生以上が対象です。国語、数学、地歴・公民、理科、英語、特別の配慮などが対象科目に定められました。平成29年度のプレテストの検証事項は「①記述式問題の内容、マークシート式問題の見直し、作問の在り方」「②記述式問題についての民間事業者を活用した採点体制・採点期間等」の2点です。

 

平成30年度のプレテストの概要

平成30年度の11月には、さらに多い10万人規模のプレテストの実施が予定されています。

 

このテストは高校2年生以上が対象のA日程と、高校3年生が対象のB日程に分かれています。ただしB日程の対象人数は数千人規模と、A日程よりも少ない人数となっています。また、B日程では国語、数学、地歴・公民、理科、英語が対象科目に定められていますが、A日程の実施教科は国語と数学のみで、両日程の内容は大きく異なります。

 

国語と数学の試験では、マークシート式と記述式の問題が出題されます。また、問題の作成にあたっては、平成29年度プレテストの結果を踏まえた問の構成の在り方と、本試験と追・再試験を想定した作題及び点検過程、採点基準、採点期間中の作問担当者を含めた採点の在り方や採点の工夫などが、主な検証項目として検討されています。

 

プレテストは平成31年度にも実施が予定されていますが、現在その詳細は未定となっています。また、紹介した平成30年度のプレテストの内容も現時点での取り組み予定を示したものであり、今後の検討において変更される場合があります。

 

平成30年度のプレテストでは、より本番に近い環境でテストを実施するために、大学を試験会場にすることが想定されています。

 

このように、大学入学共通テストの導入に向けた取り組みは始まっています。大学入試センターの公式ウェブサイトではモデル問題が公開されており、プレテストとは違う形で大学入学共通テストの内容にふれることができます。平成32年度以降に大学受験をする人は、今後の動きに注目して新しい入試制度に備えましょう。