高校受験の前に覚えておきたい、小論文対策の基本

高校受験では小論文が課題として出題されることがあります。しかし小論文に慣れていないと、作文との違いや構成のポイントといった、根本の段階でつまずいてしまうかもしれません。今回は小論文対策の第一歩といえる基本的な事柄を確認します。

 

作文との違いを把握しましょう

小論文と作文の違いは、初めて小論文に取り組む人の多くが抱く疑問です。この区別がついていないと、相手に伝わる小論文を作成するのが難しくなるでしょう。

 

大まかにいうと、作文は自分の気持ちや体験を書くもの、対して小論文は自分の考えとその根拠を書くものです。例えば、作文では「~だと思う」や「~して楽しかった」といった、自分の感想や感情を表現します。しかし小論文にはこうした表現は使わず、「~である」などといった形で自分の考えを述べ、「なぜなら……だからだ」という根拠を展開します。

 

小論文の基本は「序論」「本論」「結論」

小論文の構成は、大きく「①序論」「②本論」「③結論」の3つに分類されます。序論は前の章で紹介した「~である」の部分にあたり、テーマに関して自分が言いたいことを簡潔に記載します。本論では、序論で述べた内容について詳しく説明します。実例などの客観的な理由を用いるなどして、自分の考えを論理的に展開するのがポイントです。結論では、序論で述べた内容をもう1度繰り返すと効果的です。序論で自分の意見、本論でその理由を具体的に示すことで結論の意図が明確に伝わり、読み手への説得力を持たせることができるのです。小論文を作成する際は、この構成を意識しましょう。

 

小論文で問われることが多いテーマ

小論文で問われる傾向が高いテーマは「自分の身のまわりのこと」「社会的なテーマ」に大別されます。身のまわりに関することでは、例えば中学校生活の思い出、高校生活や将来への目標、志望動機など、自身の体験や考えが問われます。社会的なテーマに関していえば、その年の時事に関するテーマや、環境問題や科学技術といった幅広いテーマ、携帯電話などの若い世代に関心が高いテーマなど、さまざまな内容が考えられます。

 

もちろん小論文で問われるテーマはこれだけではないので、あらゆるテーマから出題される可能性を想定することが大切です。

 

小論文で高い評価を得るには、質問内容や資料の意味を正確に読み取る力、自分の意見を論理的に構成する思考力、内容を正確に伝える文章表現力など、さまざまな力が求められます。時間に余裕があるうちにこれらの力を養うと、高評価の小論文を書ける可能性が高くなります。その第一歩として、小論文の基礎を押さえましょう。