文部科学省が英語民間試験の参加要件を発表。大学入学共通テストの英語はどうなる?

2017年11月8日、文部科学省は大学入学共通テストの英語で導入される民間の資格・検定試験の参加要件を発表しました。本稿執筆時点では、参加を希望する資格・検定試験実施主体を対象にした申し込みの受付は12月20日まで行われ、独立行政法人大学入試センターの審査を通した上で活用できる試験が公表される予定です。

 

大学入試英語成績提供システムの概要とは?

2020年度に始まる大学入学共通テストの英語では、「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を適切に評価するための方法として、一定の評価が定着している資格・検定試験の活用が検討されていました。この取り組みを具体化するための仕組みとして、大学入試センターは「大学入試英語成績提供システム」を設けました。

 

「大学入試英語成績提供システム」運営要項では、この成績提供システムの概要を「成績提供システムへの参加要件を満たすことが確認され、資格・検定試験実施主体とセンターとの間で協定書を取り交わされた上で成績提供システムに参加する資格・検定試験について、受験生からセンターへの成績送付の依頼があった回の成績を、センターが一元的に集約し、要請のあった大学等に対し提供する」と説明しています。

 

現在は「1.資格・検定試験実施主体に関する要件」「2.資格・検定試験に関する要件」「3.情報公開、第三者評価等の要件」「4.その他」の4つの項目にわかれた参加要件が公開されており、それらの要件を満たした資格・検定試験を活用すると公表しています。

 

英語民間試験はどのように活用される?

大学入試センターは資料の1つとして、検討が進められている活用イメージを公開しています。この資料は受験生と資格・検定試験の実施団体、大学、大学入試センターがどのように連携して資格・検定試験を活用する予定なのかを示しています。

 

活用イメージによると、対象になる資格・検定試験を受験した受験生には結果通知と一緒に成績請求票が送られます。大学出願時にこの請求票を提出すると、大学が大学入試センターに成績請求を行い、提供された成績をもとに大学独自の受け入れ方針に基づく形で成績を活用します。現状の活用例としては「センター試験の成績に資格・検定試験の成績に応じ得点を加算」「個別試験における資格・検定試験の加算・みなし満点・免除」「個別試験における出願要件等」「『AO・推薦入試』における評価材料として活用」などが検討されています。

 

ここでお伝えした英語民間試験の要件発表のように、大学入学共通テストの導入イメージが徐々に固まりつつあります。前例のない新テストに備えるために、2020年度に大学入学共通テストを受験する予定の人は、公開される情報を入念にチェックしましょう。