試験合格者の多くが学生。公認会計士を目指すには

平成29年の公認会計士試験では、学生が合格者の中で高い割合を占めていました。この試験に挑戦する学生の数が多いことが、その一因だと考えられます。ここでは学生に注目されている資格の1つである公認会計士について紹介します。

 

公認会計士試験、合格者の多くが学生

日本公認会計士協会の公式ウェブサイトでは、公認会計士として資格登録されるまでの流れについて、「金融庁の公認会計士・監査審査会が実施する試験に合格した後、2年間の実務経験(業務補助又は実務従事)と会計教育研修機構などが実施する実務補習を受け、日本公認会計士協会の修了考査に合格することが義務づけられています。その後、内閣総理大臣の確認を受けて「公認会計士登」となります」と説明しています。つまり公認会計士になるためには、まず公認会計士試験に合格しなければいけません。公認会計士試験は、短答式試験と論文式試験の2つの段階にわかれています。

 

平成29年公認会計士試験の願書提出者は11,032人で、そのうち論文式試験まで合格した人の数は1,231人でした。合格率は11.2%で、合格者の職業別    の構成比をみると、学生の数が50.3%と高い割合を占めています。願書提出者の内訳をみると、学生の数は11,032人中3,991人で、この資格の学生への人気がうかがい知れます。

 

公認会計士の魅力とは

公認会計士は、医師・弁護士と並ぶ三大国家資格と呼ばれています。

 

「監査及び会計の専門家として会社等の公正な事業活動、投資者及び債権者の保護等を図り、もって国民経済の健全な発展に寄与する」ことが、公認会計士の使命と定められています。

 

求められる業務は監査業務、税務業務、コンサルティング業務、M&Aに関する業務、上場支援と幅広く、多くの分野で必要とされる資格です。中でも公認会計士にのみ許されている監査業務では、監査法人から公認会計士試験合格者数を超える求人があることから、比較的安定性が高い職業だと考えられています。近年は企業のグローバル化による国際財務報告基準の導入や、上場企業への内部統制監査の義務化により業務も拡大しており、社会の動きに応じて将来性が期待できることも特長です。

 

安定性、将来性に加え、収入面も魅力です。公認会計士の収入は経験年数や働き方によって異なりますが、日本公認会計士協会は公認会計士の初任給は給与所得者の平均給与である415万円を超える500万円程度で、キャリアを積むに連れて給与額がさらに伸びていくと説明しています。

 

大学の学部別にみると、経済学部や商学部、経営学部等の出身者の合格割合が比較的高く、会計学などに関する専門的な内容を学んでいると有利だといわれていますが、日本公認会計士協会は、法学部や理数系学部出身の合格者を例に挙げて、学部や大学での専攻による有利不利はあまりないと説明しています。

 

公認会計士試験の合格率は低く、その後も会計士として登録されるまでの道のりは長いですが、会計士はそれに見合う大事な資格であり、学生時にチャレンジする人が多いことからも、魅力の高さがうかがえます。大学入学後の目標の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。