近いけど違う学問。経済学部・経営学部・商学部の特徴を紹介します

経済・経営・商学の3つは、どれも経済活動を扱う学問です。大学によっては同じ学部にこれらの勉強ができる学科がまとめられていることもあり、関わりの強い分野として扱われるケースも多くみられます。

 

しかし、これら3つの学問が掲げるテーマには、はっきりとした特色があります。進路選びで失敗しないためには、それぞれの違いを理解することが大切です。ここでは「経済」「経営」「商学」の特徴と、これらの学問に共通するメリットを紹介します。自分の学びたい分野を明確にして、進路の方向を定めましょう。

 

経済学部・経営学部・商学部の違いとは?

経済学は、経済活動全般をテーマとする学問です。個人の消費や企業活動などを分析するミクロ経済学から、国単位の広い範囲で景気や経済の動きを調べるマクロ経済学、さらには経済原理や思想、歴史など、経済に関わる分野を広く扱います。経済は多くの分野と深く関わっているので、統計学や環境経済学、公共経済学など、学べる科目の幅が広いことが特徴です。

 

経営学も経済活動に関する学問ですが、経済学部とは違い、企業等の経営活動を中心に扱います。働く人や資金、必要な環境といった企業の経営管理に欠かせない要素から、企業活動の根幹となる経営理念までさまざまです。経済学と比べると扱う範囲は狭いものの、実用性の高いテーマを深く追求できます。

 

商学は経済の実用的なテーマを追求するという点で、経営学部に近い学問といえます。そのため大学では、経営学部商学科といった形で、経営学の分野の1つと捉えているケースもあります。ですが、経営学は企業の経営が主な対象であるのに対し、商学は顧客(消費者)との関係や市場流通等を中心に扱います。具体的には、マーケティングや金融、貿易といった商取引等が該当します。

 

幅広い分野に関わる大事な学問

中心に扱うテーマは違うものの、経済・経営・商学はどれも経済活動に関わる学問です。経済は社会の中で非常に重要な要素であり、多くの分野で深く関わっています。この特徴は、経済学部・経営学部・商学部の就職の幅広さに反映されています。これらの学部の卒業生に多い就職先の一例をあげると、銀行・保険・証券会社などの金融業、商社、IT関連など、多様な業種に及んでいます。このように、さまざまな分野で必要とされることも、経済に関する学問を学ぶメリットです。

 

経済・経営・商学のカリキュラムには近い部分もあるものの、学年が進み、より深いテーマを扱うようになると、それぞれの特徴の違いが明確にあらわれます。経済や経営について学びたいと思っている受験生は、興味がある分野を明確にして、その分野を追求できる学部や学科を選びましょう。