思考力・判断力・表現力の向上につながる「文章読解・作成能力検定」とは?

「文章読解・作成能力検定」(以下、文章検)は、公益財団法人 日本漢字能力検定協会が実施している検定試験です。この検定試験では、学習指導要領で重視され、平成32年度以降(※予定)に導入される大学入学共通テストの大事な要素である思考力・判断力・表現力が伸ばせると考えられています。また、2016年に同協会が行った調査によれば、およそ3校に1校の割合で入試に活用されているといいます。大学受験に関連している資格として、文章検に注目しましょう。

 

「伝わる」文章を書く力を育む検定

文章検の公式ウェブサイトでは、この検定を「文章でのコミュニケーション力や論理的思考力、ひいては一般的な『コミュニケーション力』を高めることを目的としているのが【文章検】です」「論理の流れがはっきりしている、わかりやすい文章を書けるようになることを目的としている検定です」と説明しています。この検定の出題は、誰にでもわかりやすく伝わる文章作成のルールを身につけながら、段階的に「論理性」を伸ばせるように構成されており、「論理性」を“育てる”問題を練習することで、相手に伝えることができる「文章力」が効率よく身につくと考えられています。

 

この検定を通して養われるスキルは、受験や社会生活で求められるコミュニケーション力の基礎になり、小論文や面接をはじめとしたコミュニケーション力を問う試験の対策としての効果が期待されています。

 

大学入試にも活用される文章検

受験に関しては、多くの大学と短期大学が文章検の結果を評価に活用しています。日本漢字能力検定協会が2016年8月~10月に大学と短期大学を対象に実施した「大学・短期大学における『漢検』『文章検』資格活用状況」調査では、回答が得られた大学729校、短大326校のうち、313校の大学と148校の短期大学が文章検を資格として評価、活用していると回答しています。活用状況を入試種別に比較すると、大学・短期大学合わせて推薦入試が253校、AO入試が279校と、特に高いことがわかりました。評価の内容は、合否判定の考慮・参考にするケースが特に多くあります。他にも、資格を点数化し試験や出願書類の得点に加算する大学や、3級以上で内申に加算する大学などがあり、さまざまな形で活用されています。

 

文章検の公式ウェブサイトには、この検定を評価・活用している大学の一覧と、その内容が載っており、志望校の受験に有利になるかどうかを調べることができます。文章検の日程は、個人受験は毎年2月に1回行われていますが、10名以上の団体受験になると、年に6回の日程が設けられています。この検定試験を導入している学習塾や予備校もあるので、塾を選ぶ際にも参考にしてみてください。