平成29年度には106校を選定。文部科学省の私立大学等経営強化集中支援事業とは

文部科学省は平成30年2月、平成29年度の「私立大学等経営強化集中支援事業」に合計106校の私立大学と短期大学を選定したことを公表しました。

 

この事業では、大学を経営状況に応じて2つのタイプに分け、さまざまな項目の評価を経て対象校を選定しています。今回はこの私立大学等経営強化集中支援事業の内容と、経営の強化に力を入れている大学や改善を進めている大学の例を紹介します。

 

私立大学の経営の強化や改善を支援する事業

文部科学省は公式ウェブサイトで、私立大学等経営強化集中支援事業の内容を「18歳人口の急激な減少を見据え、大学内・大学間でのスピード感ある経営改革を進め、地方に高度な大学機能の集積を図る地方の中小規模私立大学等に対し、『私立大学等経営強化集中支援期間』における集中的支援を行う」と説明しています。この「私立大学等経営強化集中支援期間」は、平成27~32年度(2020年度)で、選定の対象を、収容定員充足率が80%~107%のタイプA(経営強化型)と、収容定員充足率が50%~80%のタイプB(経営改善型)に分けています。支援対象校の合計は最大150校程度ですが、各タイプの選定率や選定校数の目安はタイプAでは50%程度・60~70校程度、タイプBでは70%程度・70~80校程度です。設けた項目ごとに評価を行い、タイプAでは89点満点、タイプBでは105点満点で点数をつけます。評価の項目は多岐にわたりますが、主なものとして「経営状況の把握・分析」「他大学等との連携」「地域・産業界との連携等」「人事政策・経費節減等」などがあります。

 

平成29年度の選定状況

平成29年度は、大学134校、短期大学122校、高等専門学校2校が事業の対象とされました。その中から、大学は91校(タイプAが55校・タイプBが36校)、短期大学は72校(タイプAが53校・タイプBが19校)、高等専門学校は1校(タイプAが1校)が申請をしました。審査の結果、大学64校(タイプAが36校・タイプBが28校)、短期大学42校(タイプAが27校・タイプBが15校)の、合計106校が選定されました。高等専門学校では選定がありませんでした。

 

大学では昨年より申請校数が多く、選定校数が少なかったため、昨年と比べ低い選定率となりました。選定された大学の例をあげると、函館大学、青森大学、金沢学院大学、富士大学、筑波学院大学、兵庫大学、広島文化学園大学、高松大学、福岡歯科大学、沖縄大学などがあります。平成29年度に選定された大学や短期大学の一覧は、文部科学省の公式ウェブサイトの私立大学等経営強化集中支援事業のページから確認できます。

 

すべての対象校がこの事業に申請したわけではないため、申請があった中での評価となりますが、選定されたのは文部科学省からの評価が得られた大学や短期大学であり、経営の強化や改善を積極的に進めていることが期待できると言えるでしょう。