国際的に活躍できる人材の育成を重視。東京都が公開したグローバル人材育成内容とは?

東京都教育委員会が、グローバル人材の育成を目的にした取り組みをウェブサイトに公開しました。「国際教育・東京ポータル」という名称のこのウェブサイトでは、グローバル人材の育成に大切だと考える3つの観点と、育成に向けた取り組みの内容が紹介されています。今回はその情報をもとに、どのような取り組みが行われているかみてみましょう。

 

東京都が重要だと考える3つの観点

東京都教育委員会は、子供たちが競争や変化の激しいグローバル社会においてたくましく生きる力を身につけるために、実践的な英語などの語学力や、豊かな国際感覚といった資質・能力に加えて、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度や、相手の意図・考えを的確に理解した上で、論理的に説明したり、反論・説得したりできる能力を育成することが重要だとしています。そのために「使える英語力の育成」「豊かな国際感覚の醸成」「日本人としての自覚と誇りの涵養」という3つの観点に着目し、具体的な取り組みを行っています。

 

グローバルな人材育成のために実践している取り組み

これら3つの観点を実現するために、東京都教育委員会はさまざまな活動を実施しています。

 

例えば「JETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)」による外国語教育の充実や国際交流を進め、「ALT」と呼ばれる外国人英語等教育補助員を配置しています。外国から指導者を招くだけではなく、小・中・高校教員の英語の指導力を高めるために、海外の大学への派遣も行っています。

 

また、10校の都立学校を「東京グローバル10」に指定し、外国語授業の改善に向けた先進的な取り組みや学校独自の特色ある取り組みを通して、時代を担うグローバル人材の育成を目指します。他にも、都立高校等における姉妹校交流や留学生の受入促進、都内全公立学校におけるオリンピック・パラリンピック教育の推進といった国際交流の推進や、英語だけではない多言語を活用した国際貢献ができる人材の育成などに取り組んでいます。

 

さらに、東京都教育委員会では児童・生徒の日本人としての自覚と誇りの涵養を育むために、平成27年度に「Welcome to Tokyo」という英語教材を作成し、小学5年以上の児童と生徒に配布しています。この教材は「日本、東京の文化や歴史等の理解の促進や英語による発信力の向上」「オリンピック・パラリンピックに向けた国際理解教育の推進」の目的でも活用されます。他にも、児童・生徒が外国人との会話や外国の文化等に触れる機会を増やし、英語を積極的に使う態度を身につけられるように、体験的で実践的な学習を行う「TOKYO GLOBAL GATEWAY」の整備を進めています。

 

このように、東京オリンピック・パラリンピックの開催が近づく東京では、グローバル人材の育成に向けた取り組みを積極的に進めています。こうした取り組みに目を向け、グローバル人材について考えてみてください。