志望校選びの参考に!「進路決定率」と「歩留まり率」とは?

志望校選びで参考になる数値に「進路決定率」と「歩留まり率」と呼ばれるものがあります。これらの数値は、その大学に入学した人がどのような進路を選んだのか、合格後にその大学に進んだ人がどれくらいいるのかを示しており、他のデータとは違う観点から大学を比較できます。「進路決定率」と「歩留まり率」はそれぞれ何を表す数値なのか、割合が高い大学にはどのような傾向があるのかといった特徴を理解し、志望校選びの参考にしましょう。

 

就職以外の進路も含む「進路決定率」

進路決定率とは、大学卒業者のうち、就職した人と大学院に進んだ人の割合を示す数値です。進路決定率の割合は、就職者と大学院進学者を足した数を卒業者数で割り、その後に100を掛けて求められます。

 

志望校選びで参考にされることが多い数値に「就職率」がありますが、この数値には大学院進学者数が反映されていません。そのため、大学院進学者が多い大学や学部では、進路を決めた人の割合が多いにもかかわらず、就職率が低くなってしまいます。現在は就職希望者数に対する就職決定者数の割合を示す「就職決定率」という数値も使われています。大学のデータを調べる際に、就職率や就職決定率だけではなく、進路決定率にも注目すると、入学した人の進路状況がより正確に把握できます。

 

実際に入学した人の割合を示す「歩留まり率」

歩留まり率は、ある大学の入学試験に合格した人のうち、実際に入学した人の割合を示す数値です。例えばある大学に合格した人が100人いて、そのうち50人が入学手続きを行うと、その大学の歩留まり率は50%です。歩留まり率が高い大学ほど第一志望の人が多く、逆に歩留まり率が低い大学は併願でその大学を受験し、別の大学に行った人の数が多かったと考えられます。大学によっては、定員に近い入学者数を確保するため、歩留まり率を参考にして、定員よりも多めの合格者を出しています。

 

受験者数が多い大学でも、他の大学と併願している人が多いと、歩留まり率が低くなります。特に私立大学は国公立大学と併願して受験する人が多いので、歩留まり率が低くなる傾向が強くなります。

 

進路決定率や歩留まり率が高い学校が誰にとっても良い大学というわけではありませんが、志望校選びではさまざまなデータから大学の特徴をとらえることが大切です。この機会に進路決定率や歩留まり率にも注目してみてください。