新設される「専門職大学・専門職短期大学・専門職学科」とは?

平成31年度から、実践的な職業教育を行う新しい高等教育機関として「専門職大学」「専門職短期大学」「専門職学科」(以下、3つの機関を総称して「専門職大学等」とします)が創設されます。従来の大学では身につけることが難しい、特定のスキルの習得が目的とされています。

 

今回はこの3つの新しい教育機関について、既存の学校や専門学校と違う点や、創設された目的、そして現在公表されている入学試験に関する情報を、文部科学省が公表する情報をもとに紹介します。

 

実践的なスキルの習得を目的にした教育機関

文部科学省では、専門職大学が既存の大学と違う点を「特定職種における業務遂行能力の育成に加え、特に、企業での長期実習や関連の職業分野に関する教育等を通じ、高度な『実践力』や豊かな『創造性』を培う教育に重点を置く点」と説明しています。従来の大学と同じ4年制(4年の課程を前期・後期に区分する区分制にもできます)ですが、長期の企業内実習をはじめ、教育課程の開発などを産業界と連携して行い、より実践的な教育が行える仕組みです。専門職短期大学は2年制または3年制です。

 

これらの教育機関が創設された背景には、産業構造の変化にともない、将来の予測が困難になっていることが影響しています。産業界などからはより実践的な教育へのニーズや学び直しのニーズへの対応が求められ、より高度な「実践力」、新たなモノやサービスを創り出せる「創造力」を有する人材の育成強化が急務とされています。こうしたニーズに対応するために、実践的な職業教育に重点を置いた仕組みとして制度化されました。

 

専門職大学等に入学する方法は

専門職大学等では、高等学校卒業後の学生と社会人学生、編入学生など、多様な学生を受け入れる予定です。また、区分制課程を導入した4年制の専門職大学では、前期課程の修了後に一旦就職して後期課程に再入学する、社会人が学び直しのために後期課程から入学するなど、多様な学習スタイルを選択できます。

 

入学試験は、それぞれの専門職大学等が具体的な内容を検討します。文部科学省は、入学試験に必要な要件について「中央教育審議会答申では、実務経験や保有資格、技能検定での成績等を積極的に考慮するなど、多様な背景を持つ志願者の意欲・能力・適性等を多面的・総合的に評価することが求められています」としています。

 

専門職大学等の創設によって、学びの選択肢が大きく広がることが期待できます。興味を持った方は、文部科学省の情報に一度目を通してみてはいかがでしょうか。