文部科学省が読書活動の推進に関する計画を公表。子供にとって大切な習慣の定着を目指した取り組みとは?

2018年4月、文部科学省が第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」に関する資料を公表しました。この計画は読書習慣の形成や読書への関心を高めることが目的です。今回は学習と関係がある読書のメリットを紹介した上で、文部科学省が公表した資料から、小・中・高等学校に関係がある取り組みを紹介します。

 

読書は語彙力と読解力を育む習慣

読書が語彙力や読解力を身につけるのに役立つことは言うまでもないでしょう。語彙力は、推薦入試やAO入試、面接など、表現力が求められるさまざまな場面で役立ちます。また、文章を正しく読み取る読解力は問題を解く際に役立ち、全ての教科の基礎になるスキルです。読書はこうした力を育むのに有効で、読書習慣の定着が大切だと考えられています。

 

読書習慣の形成に向けた取り組みの概要

文部科学省は第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」の概要をまとめた資料の中で、平成22年に1億7,956万冊だった児童用図書の貸出冊数が平成26年には1億8,773万冊に増加し、平成12年は16.4%だった小学生の不読率が平成29年には5.6%に改善し、中学生の不読率も平成12年の43.0%から平成29年の15.0%に改善するなど、第三次基本計画期間までに中長期的に改善している部分があるとしています。その一方で、高校生の平成29年の不読率は50.4%と依然として高いことや、どの世代でも目標にした進度ほどの改善は図られなかったことなど、課題があることも紹介しています。こうした状況を受けて、第四次の計画の方策が講じられました。

 

資料には「家庭」「学校等」「地域」の各環境での取り組みが記載されています。小・中・高等学校等では、学校図書館の計画的な利活用を通して児童生徒の主体的・意欲的な読書活動の充実を図る、全校一斉の読書活動や子供による図書紹介を行う、学校図書館を整備・充実させるなどの取り組みを行います。他にも、図書委員や「子ども司書」での活動、ブックトーク、ビブリオバトルと呼ばれる書評合戦を行うといった読書への関心を高めるための取り組みや、「子ども読書の日」(4月23日)にともなう普及啓発活動が記載されています。

 

公開された資料には、文部科学省が子供の読書習慣を形成するために、幅広い取り組みを計画していることが示されています。それだけ読書は大事な習慣と考えられていると言えますが、継続するには、子供自身が読書のメリットや楽しみを知り、自発的に本を読むことが大切になるでしょう。