3分の2の高校が入試に活用。調査が示す漢検活用の現状は?

日本漢字能力検定協会が、高等学校と高等専門学校を対象に行った漢検資格活用状況調査で、およそ3校のうち2校が、入試において漢検を評価・活用していることがわかりました。

今回は高校受験に有効な検定試験である漢検に着目し、活用状況調査の結果を紹介します。また、活用の基準になることが多い3級の概要をお伝えします。

 

資格活用状況調査が示す活用状況

日本漢字能力検定協会は、2017年の10月から12月にかけて行った独自調査で、「全国学校総覧2017年版」に掲載されている高等学校と高等専門学校5,459校に対して「『漢検』資格活用状況」調査用紙を送付し、回答が得られた4,644校の回答をまとめました。調査対象校のうち3,947校が漢検を評価・活用しており、そのうち「入試関連」で活用していると回答した学校は2,846校でした。入試種別では「一般入試」と回答した学校が1,470校、「推薦入試・AO入試」が1,304校、「その他(全ての入試種別で活用する場合も含む)」が951校でした。活用の条件に級指定を設けている学校は1,460校で、中でも3級以上を条件としている学校が762校と最多でした。

 

入試関連で活用されることが多い3級のレベルとは

多くの学校が級指定の基準にしていると回答した3級は中学校卒業程度のレベルで、「常用漢字のうち約1,600字を理解し、文章の中で適切に使える」ことが目安とされています。日本漢字能力検定協会の公式ウェブサイトでは、具体的な領域・内容を次のように記載しています。

〈読むことと書くこと〉
小学校学年別漢字配当表のすべての漢字と、その他の常用漢字約600字の読み書きを習得し、文章の中で適切に使える。

・音読みと訓読みとを正しく理解していること

・送り仮名や仮名遣いに注意して正しく書けること

・熟語の構成を正しく理解していること

・熟字訓、当て字を理解していること(乙女/おとめ、風邪/かぜ など)

・対義語、類義語、同音・同訓異字を正しく理解していること

〈四字熟語〉
四字熟語を理解している。

〈部首〉
部首を識別し、漢字の構成と意味を理解している。

 

日本漢字能力検定協会の公式ウェブサイトでは漢検を評価・活用する高等学校、高等専門学校が検索できます。志望校の活用状況を調べて、受験対策に利用できるかを調べましょう。

 

また、漢検資格活用状況調査では「貴校が漢検を評価・活用する理由は何でしょうか」ということも質問されました。その中では「基礎学力の定着度を測る指標になる」という回答が428校ともっとも多く、次に多かったのが「学習意欲を評価する指標になる」の266校でした。他には「漢字・日本語能力の重要性を伝えられる」「キャリア教育の一環として」「進学実現に役立てるため」という回答も寄せられており、漢字検定がさまざまな形で活用されていることが示されています。

 

漢字検定を取得することで高校受験を有利に進められ、さらに取得を通して得たものはその後の学習に役立つでしょう。こうした長所に注目し、利用を検討してみてはいかがでしょうか。