教育指導者を目指す学生を支援。博報財団が実施する「博報教職育成奨学金事業」とは

博報堂が1970年に設立した公益財団法人博報児童教育振興会(通称「博報財団」)が、2018年度から新しい奨学金事業である「博報教職育成奨学金事業」をスタートさせました。この事業は教育指導者を目指しており、あらかじめ決められた推薦依頼大学に通う学生を対象に選考を行います。教育指導者の育成を支えるために設立された、新しい奨学金事業の概要を紹介します。

 

博報教職育成奨学金事業の目的と概要

博報教職育成奨学金事業の公式ウェブサイトでは、この奨学金事業の目的について「児童教育を支える未来の優秀な教育指導者を育成し、子どもたちの未来に貢献するという趣旨で設立した奨学金事業」と説明しています。小学校教員と特別支援学校教員、中学・高等学校国語科教員のいずれかを目指す学生の中で、博報教職育成奨学金事業の対象は、奨学生推薦依頼大学に決められた大学から推薦された学生と決められています。2018年度の奨学生推薦依頼大学は関東と関西にある26校で、その中から35名程度の奨学生を決定する予定です。次年度以降は、対象校を全国へ拡大していく予定です。

 

博報教職育成奨学金事業の内容

奨学生推薦依頼大学である横浜国立大学の学務部学生支援課は学内で募集している奨学金のリストをウェブサイトに掲載しており、その1つである博報教職育成奨学金に関する資料を公開しています。

 

この資料では、この制度の趣旨について「子どもたちの教育に携わる教員は、まさに子どもたちを通じて『未来の社会づくり』に貢献し、重要な役割を担う存在である」とし、教育現場が直面する様々な難しい課題や変化に触れた上で「このような時代だからこそ、熱意を持って教育現場を目指そうとする大学生・大学院生を支援することが大変に重要であると考えています」と説明しています。

 

掲載されている奨学金の金額は、授業料相当額が給付されます。国立大学生で年額60万円(月額5万円)・私立大学生で年額120万円(月額10万円)となっています。また、博報財団が認定した自宅外生(自宅から大学までの通学時間が公共交通機関を利用して2時間以上要する等の理由で、自宅外に住居を有償で借り受け居住し通学を行う者)への特別支援費に年額60万円(月額5万円)が給付されます。ただし、原則として他の給付型奨学金との併給は認められておらず(貸与型奨学金はこの限りではありません)、大学の授業料免除制度と併用する場合は、給付額が減額されることがあります。

 

応募資格では、博報教職育成奨学金事業の公式ウェブサイトに記載されている条件のほかに、博報財団が提供する評価基準に基づき、大学が学内選考を行った上で推薦する者とされています。

 

2018年度は奨学生推薦依頼大学が26校、奨学生の数は35名程度と枠が限られていますが、教育指導者を目指す学生は経済的な負担軽減に利用できます。教育指導者を目標としている人は、関わりのある情報の1つとして、博報教職育成奨学金事業のウェブサイトで奨学生推薦依頼大学の一覧をみておくと良いでしょう。