近づく大学入学共通テストの導入。ガイドラインが示す国立大学の英語・国語・数学の指針とは

平成30年3月30日に、一般社団法人 国立大学協会が「大学入学共通テストの枠組みにおける英語認定試験及び記述式問題の活用に関するガイドライン」を公表しました。このガイドラインは、平成32年度以降の大学入学共通テストで活用される予定の英語認定試験や記述式問題について、国立大学共通の指針を定めるために作成されました。英語の民間試験や国語と数学の記述式問題が、国立大学の入試でどのように評価されるのか、ガイドラインの内容をみてみましょう。

 

ガイドラインに記された英語の認定試験の扱い

新テストでは、センターが認定した民間の資格・検定試験の活用が有効とされています。それを受け、ガイドラインでは「新テストの枠組みにおける5教科7科目の位置づけとして認定試験を『一般選抜』の全受験生に課すとともに、平成35年度までは、センターの新テストにおいて実施される英語試験を併せて課すこととし、それらの結果を入学者選抜に活用する」としています。認定試験結果の活用方法は、各大学・学部等の方針に基づいて、次の2種類のいずれか、または両方を組み合わせて活用することが基本になっています。

 

① 一定水準以上の認定試験の結果を出願資格とする

② CEFRによる対照表に基づき、新テストの英語試験の得点に加点する

 

上記②での、加点する点数等の具体的な設定については、それぞれの大学・学部等が主体的に定めることとされています。

 

国語と数学の記述式問題について示された方針

国立大学の入試では、記述式問題を含めた国語及び数学を「一般選抜」の全受験生に課すこととしています。ガイドラインではその上で、国語と数学の記述式試験結果の活用について定めています。

国語の記述式の段階別成績表示については、その結果を点数化してマークシート式の得点に加点して活用することが基本です。その上で「段階別成績表示に基づき加点する点数等の具体的な設定については、各大学・ 学部等が主体的に定め」、記述式問題の具体的な活用方法等を募集要項等で受験生に明示することを方針としています。

 

数学の記述式の段階別成績表示の場合は、正誤のみの判定であることや、大問の中でマークシート式問題と一体で出題される形で記述式問題にも配点がなされるので、従来のマークシート式と同様の扱いにするとしています。

 

英語の民間試験や国語の記述式問題などのより具体的な評価方法は、それぞれの国立大学の発表を待つ必要がありますが、このガイドラインの公表により、以前よりも国立大学の試験での大学入学共通テストの活用方法がイメージしやすくなりました。国立大学の受験を検討している人は、今後の情報に注目しつつ、本番への備えを進めましょう。