「大学入試英語成績提供システム」に参加する民間試験が決定。参加が認められた試験とは?

2018年3月26日に、独立行政法人大学入試センターが「大学入試英語成績提供システム」の参加要件の確認結果を公表しました。これは同システムへ参加申込を行った資格・検定試験が対象で、この発表により平成32年度に導入が予定されている大学入学共通テストの英語試験に利用できる資格・検定試験が明らかになりました。今回は公表された情報をもとに、参加要件を満たしていると認められた資格・検定試験の内容を紹介します。

 

参加要件の確認結果が公表されるまでの流れ

大学入試英語成績提供システムは、平成29年7月に文部科学省が公表した「大学入学共通テスト実施方針」に記載されている、英語の「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能を大学入学者選抜で適切に評価するための仕組みです。大学入学共通テストの枠組みの中で、現に民間事業者によって広く実施され、一定の評価が定着している資格・検定試験を活用するために設けられました。平成29年11月24日から12月20日にかけて参加申込が行われ、その間に7つの実施主体から合計24の資格・検定試験について申込がなされました。

 

参加要件を満たした資格・検定試験とは

申込がなされた資格・検定試験のうち、7実施主体の22資格・検定試験が、参加要件を満たしていると確認されました。また、1実施主体の1資格・検定試験は条件付きという形で、参加要件を満たしているとみなすことができると判断されました。

 

参加要件を満たしていると確認されたのは、次に示す資格・検定試験です。

 

・ケンブリッジ英語検定( C2 Proficiency・C1 Advanced・B2 First for Schools・B2 First・B1 Preliminary for Schools・B1 Preliminary・A2 Key for Schools・A2 Key)

・TOEFL iBTテスト

・IELTS(IELTS Australiaが実施)

・TOEIC Listening & Reading TestおよびTOEIC Speaking & Writing Tests

・GTEC(Advanced・Basic・Core・CBT)

・TEAP

・TEAP CBT

・実用英語技能検定(1級・準1級・2級・準2級・3級)

・IELTS(ブリティッシュ・カウンシルが実施)

 

参加要件を満たしていると判断された試験の一つである、実用英語技能検定を実施している日本英語検定協会は、受験生の選択肢の幅をもたせるために「従来型」「1日完結型」「公開会場実施」「4技能CBT」の4つの方式で参加申込を行いました。このうち「1日完結型」「公開会場実施」「4技能CBT」は参加が認められましたが、「従来型」は一次試験(「書く」「読む」「聞く」)の合格者のみが二次試験(「話す」)を受験する仕組みだったため、参加要件の一つである「1回の試験で英語4技能の全てを極端な偏りなく評価するものであること」を満たしているとは判断されませんでした。この理由から、同検定は「従来型」を除く3つの方式が採用されています。

 

また、IELTS Australiaが実施するIELTSは試験開始が平成28年6月であり、「申請日の時点において2年以上、英語に係る資格・検定試験が広く実施されている実績があること」という参加要件を満たしていないと判断されました。そのため、実施実績が2年に達する平成30年6月まで実績を積み重ねることを条件に参加要件を満たしているものとする、と判断されました。

 

参加要件を満たしていることが確認された資格・検定試験は、各実施主体とセンターとの間で協定書を取り交わした上で、平成32年度に実施される入学者選抜から、大学入試英語成績提供システムに参加する予定です。将来、大学入学共通テストを受験する予定の人は、早い段階で同システムに参加する資格・検定試験の実施要項や試験内容を知り、活用を検討しましょう。