文部科学省の「英語教育実施状況調査」にみる、中高生の英語学習の現状は?

文部科学省は、公立の小・中・高等学校等の英語教育について調査した「英語教育実施状況調査」を毎年実施しています。先ごろ、その最新版である平成29年度の調査結果が公表されました。今回はその中の中学生と高校生の生徒の英語力に関する部分に着目し現在の中高生の英語力の傾向をみてみましょう。

 

中学生の調査結果と前年度との比較

平成29年度の英語教育実施状況調査(中学校)は、全ての教育委員会、公立の中学校、義務教育学校後期課程及び中等教育学校前期課程9,405校を対象に行われました。

 

中学3年の生徒を対象に英語力を調査したところ、実用英語技能検定(英検)3級以上を取得している生徒は22.0%でした。また、外国語の資格検定試験は受験していないが、英検3級以上相当の英語力を有すると思われている生徒の割合は18.7%でした。この2つを合計すると40.7%で、平成28年度の36.1%と比べて4.6ポイント上昇しています。平成27年度は36.6%、平成26年度は34.6%で、年々英検3級以上相当の英語力を持つ学生の割合が増えていることがわかります。他にも「話すこと」や「書くこと」における「外国語表現の能力」を評価するためのパフォーマンステストを実施している学校の割合は、中学1年では96.6%、中学2年では97.4%、中学3年では96.8%でした。平成28年度調査と比べて、全ての学年で上昇しています。

 

高校生の調査結果と前年度との比較

高校生の英語教育実施状況調査は、全ての教育委員会、公立の高等学校及び中等教育学校後期課程の3,369校を対象に行われています。

 

調査項目の1つである、実用英語技能検定(英検)準2級以上を取得している高校3年生は15.0%で、それと同等以上の英語力を有する高校3年生の割合は24.3%でした。これらの割合の合計は39.3%で、平成28年度の36.4%よりも2.9ポイント上昇しています。平成27年度の結果は34.3%、平成26年度の結果は31.9%で、年々上昇していることがわかります。

 

普通科などの学科で「話すこと」や「書くこと」における「外国語表現の能力」を評価するためのスピーキングやライティング等のパフォーマンステストを実施している割合は、コミュニケーション英語Ⅰでは66.8%、コミュニケーション英語Ⅱでは61.9%、コミュニケーション英語Ⅲでは45.4%、英語表現Ⅰでは66.3%、英語表現Ⅱでは68.5%でした。平成28年度の結果はコミュニケーション英語Ⅰが60.6%、コミュニケーション英語Ⅱが55.6%、コミュニケーション英語Ⅲが40.6%、英語表現Ⅰが60.9%、英語表現Ⅱが62.1%で、全ての分野で上昇しています。

 

中学生でも高校生でも、年々英語力が高くなっている傾向がみられます。この傾向は、今回文部科学省が公表した他の調査結果にも表れています。こうした状況も踏まえながら、よりいっそう英語の勉強を頑張りましょう。