大学入試センターが示す、現時点での共通テストの記述式問題の扱い

独立行政法人大学入試センターが2018年6月18日に公表した「『大学入学共通テスト』における問題作成の方向性等と本年11月に実施する試行調査(プレテスト)の趣旨について」という資料の中で、問題作成の方向性や記述式問題の導入など大学入学共通テストに関する現時点での検討状況や、11月に実施予定の試行調査の趣旨といった情報が提示されました。今回はこの資料を参考に、現時点で予定されている国語と数学Ⅰの記述式問題の出題形式を紹介します。

 

国語の記述式問題の出題形式

国語では、20~30字程度、40~50字程度、80~120字程度を記述する問題がそれぞれ1問ずつ出題される予定です。構成は、実用的な文章を主たる題材にするものや、論理的な題材を主たる目標とするもの、または両方を組み合わせたものとし、小問3問からなる大問1問が出題されます。問題内容はテキストの内容や構造を把握し、解釈することや、その上で要旨を端的にまとめてわかりやすく記述することを求めるものとされています。

 

現行のセンター試験の「国語」の解答時間は80分ですが、記述式問題の導入にともない、100分に延長される予定です。また、マーク式問題の配点とは別に、記述式問題の段階別表化(小問ごとに4段階表示、総合評価については80~120字程度を記述する小問についてのみ1.5倍の重み付けを行った上で5段階表示)が示されることも検討されています。

 

数学Ⅰの記述式問題の出題形式

数学Ⅰはマーク式問題と混在する形で、数式を記述する問題、または問題解決のための方略などを端的な短い文で記述する問題が3問出題される予定です。数学Ⅰも記述式問題の導入にあわせて、解答時間が60分から70分に延長されます。

 

数学Ⅰの記述式問題では段階別評価は行われず、マーク式問題と同様の配点が行われます。また、資料ではマーク式問題を含めた数学の問題の方向性として「事象の数量等に着目して数学的な問題を見いだすこと、構想・見通しを立てること、目的に応じて数・式、図、表、グラフなどを活用し、一定の手順に従って数学的に処理すること、解決過程を振り返り、得られた結果を意味づけたり、活用したりすることなどが求められます」とされています。

 

記述式問題の導入は、大学入学共通テストでの特に大きな変更点です。11月の試行調査などを経て内容が変わる可能性はありますが、現在予定されている内容も知っておくと良いでしょう。