「地域みらい留学」は可能性を広げる高校進学の選択肢

中学卒業後、親元を離れて遠くの都道府県の公立高校に入学する「地方留学」が注目されています。公益財団法人日本財団が行った「地方留学の推進に関する調査研究」というアンケート調査では、地方留学を行う高校がある都道府県教育委員会の割合は約6割、さらに地方留学の受け入れにあたって特定の部活動などの優先や限定を行っていない高校は約7割を占めており、地方留学は一部の地域や特徴的な高校のみに留まらない広がりを見せていることがわかります。留学先の地域や生徒にとっても、生徒減への対応や教育レベルの向上、教育への波及、賑わい・活力の創出といった効果が期待されています。

 

一般社団法人地域・教育魅力化プラットフォームは、この「地方留学」という選択肢を「地域みらい留学」と呼んで、各種情報の提供や関係者間のプラットフォーム化に取り組んでいます。今回は、高校進学の選択肢として広がりつつある「地域みらい留学」の長所や留学までの流れなどを紹介します。

 

都会にない経験が積める地域みらい留学

地域みらい留学の最大の特長は、高校生活を通して、今まで住んでいた地域では得られない体験ができることとされています。都会では味わえない豊かな自然に接したり、その地域独自の文化に触れたり、入学した学校の特色ある部活動を経験したりできます。多くの地域には高校と地域を結ぶコーディネーターがいるので、地域との交流を深めて、その土地に来なければできなかった体験ができます。都会よりも生徒数の少ない地域では活動できる幅が広がり、自信や向上心、コミュニケーション能力が高まるなどの効果も期待されています。寮での生活にはお金がかかりますが、金額の範囲も1万円~6万円ほどで、都会よりも少ないコストで生活できます。

 

地域みらい留学の流れ

地域みらい留学に興味をもったら、まずインターネットを通して情報収集をしましょう。地域みらい留学の公式ウェブサイトには、留学生を募集している学校の特徴や一推し部活動などの情報が掲載されています。また、6月から7月にかけては「地域みらい留学フェスタ」という合同説明会が実施されており、予約して参加すると各高校の先生や先輩などから具体的な話が聞けます。夏には各学校でオープンスクールや学校説明会も開催されるので、学校を見学して実際の雰囲気を確認しましょう。興味がある学校を比較検討した上で2学期に志望校を決定し、3学期に受験します。

 

現時点で地域みらい留学の制度に参加している学校数は決して多くないものの、都会にはない経験が積める地方留学の選択肢として、徐々に関心が高まっています。自分の可能性を伸ばせる進路が選べるように、こうした地方留学も視野に入れて志望校を探してはいかがでしょう。