積極的な数学の学習を促す、日本数学検定協会の取り組み

数学検定で知られる日本数学検定協会は、数学の普及・啓発に関するさまざまな事業を実施しています。7月10日には、その一環として行われた第26回実用数学技能検定「数」グランプリの各受賞者が公開されました。また「数検スコア診断」と呼ばれる、生徒の数学の理解度や改善点を分析できる学校や塾に向けたサービスの申込受付を2018年9月から開始します。今回はこれら日本数学検定協会が行っている取り組みを紹介します。

 

実用数学技能検定「数検」グランプリ

日本数学検定協会は、数学検定・算数検定を受検した個人や団体を対象に、積極的に算数・数学の学習に取り組んでいる個人や団体を表彰する「実用数学技能検定『数検』グランプリ」という制度を設けています。優秀な成績をおさめた個人や団体には「金賞」が、高齢の方や家族で受験して優秀な成績をおさめた人には「会長賞」が贈られます。さらに金賞受賞者の中で卓越した成績をおさめた個人や団体には、「文部科学大臣賞」が贈られます。

 

第26回実用数学技能検定「数検」グランプリは、2017年4月から2018年3月までに数学検定と算数検定を受検した人を対象に選考が行われました。「会長賞」を9組17人、「金賞」を47人、51団体が受賞し、「文部科学大臣賞」は個人で1~5級(準1級、準2級を含む)から1人ずつで7人、団体では5団体が受賞しています。文部科学大臣賞を受賞した個人は全員が小・中学生で、各級で受検の目安となる学年よりもはるかに下の学年の受検者が選ばれています。

 

Webを通して数学の能力を分析する「数検スコア診断」

日本数学検定協会が新しく始めた「数検スコア診断」は、Webを利用して数学の能力を診断するサービスです。利用する学校や塾の先生が、担当するクラスの授業計画や進捗に合わせて出題範囲や目標値を設定すると、その内容に応じた問題が出題されます。出題はインターネットを通して行われ、パソコンやタブレットPC、一部のスマートフォンでも簡単に取り組めます。回答を通して、生徒やクラス全体の学習への取り組み方・理解度・復習が必要な学習項目などの内容が分析されます。診断結果を通して、先生は進捗の改善や時間の配分を見直すといった授業の改善を進めたり、生徒個人の不得意分野の分析などに活用できます。

 

今回紹介したもののほかにも、日本数学検定協会は全国の中学・高校・高専生が団体で数学力を競う「数学甲子園」や、「算額」という江戸時代に親しまれた和算の風習を伝える「算額1・2・3」など、数学への関心を深める取り組みを行っているので、チェックし、活用してみてください。