官民協働による留学支援の取り組み「トビタテ!留学JAPAN」

文部科学省は、社会で活躍できる人材、および世界で活躍できる人材の育成を目的に、官民協働で「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」という海外留学支援制度を実施しています。この取り組みは、2014年の開始から2020年までの7年間で約1万人の高校生と大学生を派遣留学生として海外に送り出し、「産業界を中心に社会で求められる人材」「世界で、又は世界を視野に入れて活躍できる人材」を育成することを目標に掲げており、返済不要の奨学金を給付するとともに、学生の目的やスケジュールに応じたさまざまな留学コースを設けています。

 

高校生と大学生を対象にした留学支援制度

「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」の高校生コースは、留学内容と渡航先、14日間から1年間までの留学期間を生徒が自由に設計でき、学校に行かない計画でも応募ができます。書面審査と面接審査を通過した高校生は事前研修を受けた後で留学を開始します。留学先では日本の良さを発信するアンバサダー活動を行い、人脈を構築し、それを継続させることが望まれます。帰国後には事後研修会が行われ、その後も海外の魅力や留学で得た体験を周りに伝えるエバンジェリスト(伝道師)としての活動が期待されています。

 

大学生コースも目的や期間(28日間から2年以内)に応じて、さまざまな計画が組めます。さらに、インターンシップやボランティア、フィールドワークといった多様な活動の支援を受けられ、歴代の派遣留学生や支援企業の方々と交流できる「トビタテ!留学JAPAN」独自のコミュニティに参加できるなど、留学後の活躍の幅が広がる機会が設けられています。

 

募集から留学開始までの流れ

2018年7月時点で、次回第5期の高校生コースの募集が、2018年10月頃予定されています。ここでは参考として、この前回にあたる第4期で、スケジュールの流れをみてみましょう。第4期では、2017年10月から2018年2月にかけて募集が行われ、約1ヵ月の書面審査と面接審査を経て、5月頃に最終的な採否通知が届きます。留学が認められた学生は6月に壮行会と事前研修が行われ、7月以降に留学に行くスケジュールです。ただし新高校1年生向けの「アカデミック」と呼ばれる分野の募集は4月26日まで行われ、それから6月までに書類・動画審査が行われます。

 

ちなみに、大学生コースでは在籍する大学が設定した期限内に申請を行うスケジュールになっており、現在は1年のうち期限が2回設けられています。参考として2018年の第10期の募集スケジュールを紹介すると、2018年7月2日から2018年10月2日の期間内に各大学の提出期限が設けられ、対象となる留学が2019年4月1日から2019年10月31日の期間内に開始される予定です。

 

「トビタテ!留学JAPAN日本代表プログラム」は、関心のある国へ行ける大きなチャンスであるとともに、国際的に活躍できるスキルを磨ける貴重な機会でもあります。「トビタテ!留学JAPAN」の公式ウェブサイトには最新情報の他、取り組みの内容などが動画などを用いてわかりやすく紹介されています。高校在学時に留学を経験したい人や、大学進学後のプランとして留学を検討している人は、参考にしましょう。