国際数学オリンピックでの日本からの参加者全員がメダルを獲得。数学の才能を発掘する国際的な取り組み

2018年7月13日、文部科学省の公式ウェブサイトに「第59回国際数学オリンピック」の成績が公開されました。この大会は107カ国の地域から594名が参加したもので、日本からの参加者全員がメダルを獲得しました。今回は第59回数学オリンピックの結果も交えて、これらの大会の概要や意義をお伝えします。

 

若者の数学の才能を伸ばす国際的な祭典

国際数学オリンピックは、毎年2日間にわたって、1日に3問ずつで合計6問、それぞれ4時間半で解くことを競うコンテストです。公益財団法人数学オリンピック財団は、国際数学オリンピックの目的について「すべての国の数学的才能に恵まれた若者を見出し、その才能を伸ばすチャンスを与えること、また世界中の数学好きの少年少女および教育関係者であるリーダー達が互いに交流を深めること」としています。2日間のコンテストの後は3日間程度の観光や国際交流のプログラムが設けられ、開催都市やその近郊を観光したり、ミニサッカーや折り紙等で各国選手が交流を深める機会も設けられています。参加者の半分がメダルを受け取れ、授与されるメダルの金:銀:銅の割合は1:2:3です。

 

日本は1990年の第31回大会から参加しています。2018年にルーマニアで行われた第59回大会では6名が参加し、金メダル1個、銀メダル3個、銅メダル2個を獲得しました。107カ国中の順位は13位でした。日本は2017年に6位、2016年には10位を獲得するなど、比較的上位の成績を収めています。

 

国際数学オリンピックの日本代表選手候補を選抜する大会

国際数学オリンピックには、国内で行われる「日本数学オリンピック(JMO)」を経て、選手に選ばれた生徒が参加できます。数学オリンピック財団は、国際数学オリンピックに参加する日本代表選手を選抜するために、日本数学オリンピックという国内の大会を実施しています。毎年多くの高校生や中学生などが参加しており、2017年の第27回大会には3,804名が参加しました。この大会には大学教育やそれに相当する教育を受けていない20歳未満の若者なら参加できますが、国際数学オリンピックの代表に選抜される資格は日本国籍を持つ高校2年生以下の者に限られています。

 

2019年の1月には、各都道府県で日本数学オリンピック予選が行われる予定です。この大会の個人申込は2018年10月31日まで、学校一括申込なら2018年9月30日まで受け付けています。数学オリンピック財団の公式ウェブサイトには、過去の国際数学オリンピックの問題と、日本数学オリンピックの予選と本選の問題が掲載されていますので、関心があればチェックしてみてください。