入試に導入されるグループディスカッション。意識するポイントは

東京都市大学は2019年度から、センター試験の結果とグループディスカッションと調査書で合否を判定する「センター利用入試〈後期3教科グループディスカッション型〉」を導入します。東京都市大学の例のように、近年の大学入試ではグループディスカッションを評価方法に取り入れる動きがみられます。今回は、東京都市大学の「センター利用入試〈後期3教科グループディスカッション型〉」の内容を紹介し、また、中京大学法学部の2018年度高大接続入試で実施された「基礎力評価型(法学的思考型)」選考におけるグループディスカッションの講評をもとに、グループディスカッションで評価されるポイントを紹介します。

 

東京都市大学が導入する、グループディスカッションを取り入れた入試とは

東京都市大学が導入する「センター利用入試〈後期3教科グループディスカッション型〉」は「センター利用入試〈前期3教科型〉」の指定教科・科目の受験を出願要件に、受験する学部・学科が指定する教科の結果(計600点)と調査書、グループディスカッションの結果をもとに評価します。大学入試センター試験の得点に加えてグループディスカッションなどを課すことで「学力の3要素」を総合的に判定することが狙いです。

 

中京大学法学部2018年度入試、グループディスカッションの評価ポイント

中京大学法学部の高大接続入試である基礎力評価型入試には「法学的思考型」「基礎学力型」「活動実績型」の3つの評価方法があり、このうち「法学的思考型」の入試は「全教科の評定平均値3.0以上」という条件に加え「国語基礎学力型試験」と「グループディスカッション」で評価されます。

 

2018年度入試のグループディスカッションでは、貧困問題をめぐる近年の知見を分かりやすく論じた文章を課題文として提示しました。大学のウェブサイトではこの結果をもとに、論理性について「志願者全員が、一定程度、筋道を立てて物事を考えた上で、発言できていた。ただし、課題文における著者の論理展開を十分に理解した上でそれに基づいて発言できているかについては、志願者によって若干の差があった」、説得力について「志願者全員が、他人を説得できるような理由づけを伴って物事を考えた上で、発言できていた。課題文における著者の論理展開に沿った理由づけに基づく発言ができれば、さらに高い評価が得られる」、視野の広さ、傾聴力、整理・集約力について「志願者全員が、一定程度、他人の意見に対して同調し理由等を付け加えることはできていた。しかし他人の意見に対して明確に反対しその理由を述べることは、できていなかった」、積極性について「積極的に自らの意見を述べるということは、グループディスカッションにおける最も基本的な立ち居振る舞いである。積極的に自らの意見を述べることができているかについては、志願者によってある程度の差がみられた」などといった評価ポイントを挙げています。

 

グループディスカッションを取り入れた入試を受験する場合には、そこで重視される点を知り、対策を立てておくようにしましょう。