2019年4月から「英検IBA」が4技能化。大学入試に適応した試験の内容とは

2018年7月に、日本英語検定協会が、これまでReadingとListeningの2技能で実施していた「英検IBA」を、2019年4月から4技能で実施することを発表しました。英検IBAは、グローバル化に対応できる英語力の測定や、学習の成果の確認、目標設定、英検受験級の決定などの目的で利用されていますが、現在の潮流に合わせて4技能化が決まりました。今回は英検IBAの特徴を紹介し、大学入試に関係がある4技能化の内容をお伝えします。

 

グローバルな指標を用いた英語能力測定テスト

英検IBAは、日本英語検定協会が2003年から実施していた英語能力判定テストに、グローバルな指標である「英検IBA CSEスコア」を導入し、さらに試験時間の短縮、低価格化、フィードバックの充実などを図り、リニューアルした試験です。日本生涯学習総合研究所が開発し、2014年9月に日本英語検定協会と共同で発表したCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)に対応した尺度であるCSEスコアで技能別スコアを表示することで、学習到達度や英語能力の伸長を技能別に詳細かつ的確に把握でき、学習目標の設定や学習プランの作成などに幅広く活用できます。個人成績表には英検級レベル判定(一次試験の推定レベル)や、得意分野・不得意分野からの問題が掲載されており、英検受験の力試しや苦手分野の克服、英語力の定期チェックなどに幅広く利用でき、多くの団体(学校・塾等)や自治体(都道府県や市区町村の教育委員会)で生徒の英語力の伸長度の把握やプレイスメントテストとして活用されています。

 

大学入試改革に向けて実施される4技能化

昨今の日本の英語教育では、ReadingとListening、Writing、Speakingの4技能のバランスの良い育成と測定が求められています。2020年度から始まる大学入学共通テストでは4技能を適切に評価する外部資格・検定試験の活用が推進されているなど、この動きは大学入試改革にも反映されています。こうした流れの中、中学校や高等学校の現場からは、これまでReadingとListeningの2技能測定の「英検IBA」を4技能化してほしい、との要望が寄せられていたといいます。

 

また、「英検CBT」や大学入学共通テストに対応する「英検2020」の方式のひとつである「英検2020 1 Day」のSpeaking測定はCBT方式であることを受け、CBT方式のSpeakingを「英検IBA」に導入し、受験者にSpeakingのCBTに慣れてもらうことも目的になっています。試験の形式はReading(25分)とListening(20分)がPBT(マークシート)で、Writing(15分)がPBT(記述式)、Speaking(8分)がCBT(吹き込み式)で実施される予定です。

 

英検のプレテストという位置付けもある英検IBAが4技能化することで、大学入試に活用される予定の外部資格・検定試験対策に利用しやすくなります。大学受験を2020年度以降に迎える予定の人は、大学入試改革に対応して変化する英検IBAに注目しておきましょう。