次世代を担う若手クリエイターの発掘と健全な育成支援を目指す「アプリ甲子園」

「アプリ甲子園」という、中学生と高校生のためのスマートフォンアプリ開発コンテストをご存じでしょうか。この大会は日本のIT産業の活性化を図る教育事業展開の一環として、次世代を担う若手クリエイターの発掘と健全な育成支援を目的に行われています。今回はアプリ甲子園がどのようなものかご紹介します。

 

2部門から中高生の能力を問うアプリ甲子園

アプリ甲子園は2011年にスタートしたコンテストで、2018年に第8回大会が行われました。この大会は、開発部門とアイディア部門の2部門で構成されています。2018年の大会では、どちらも中学校、高等学校、高等専門学校(3年生まで)に在籍している人か(小学生も応募可能)、生年月日が2000年4月2日以降の人を対象に実施されました。

 

開発部門は、提出した情報をもとに行われる一次選考、作品審査とプレゼンテーションによる二次選考、決勝大会の順番で行われます。決勝大会では、観客と審査員の前でプレゼンテーションと質疑応答を行い、独創性・新規性、消費者支持度の2項目で審査する「企画力審査」と、ソースコードから実装力、技術チャレンジを審査、また実機を触りUI・UXデザインを審査する「技術力審査」が行われます。アイディア部門は、フォーマットにアイディアを記入して提出します。最終候補に残ったアイディアはWebページで紹介され、審査と投票で受賞アイディアが決まります。

 

2018年大会の受賞作品

2018年大会では、開発部門で「PERVERSE」が優勝・総務大臣賞、アイディア部門で「取写選択」が最優秀アイディア賞に選ばれました。

 

「PERVERSE」は、上下左右逆に動く2つのブロックを動かしてゴールに持っていくゲームです。また、友達の遊んだマップを共有して遊んだり、サーバーに遊んだマップをアップロードすることで実際に世界中の人がプレイしたマップで対戦し、レートで競うことができます。

 

「取写選択」は先生が撮影した写真を生徒と共有したり、イベントで撮影した大量の写真を選別したりすることを目的に考え出されたアイディアです。このアプリには、先生用アプリと生徒用アプリの2種類があります。先生用アプリでは、撮影した写真を登録したアカウントを作って生徒に配布します。生徒用アプリでは顔認証システムで自分が写っている写真が選択されて表示されるため、自分の写っている写真や写りの良い写真だけを選んで見ることができます。このアイディアは、卒業アルバム作成などで、全員が均等に写っている写真や、写りの良い写真を選ぶのに活用できます。

 

アプリ甲子園で優秀な成績を収めると、大学のAO入試や中高生の起業など、さらに活躍するフィールドを自ら発見することにつながると期待されています。スマートフォンアプリに関心がある人、何かにチャレンジしたいと考えている人は、注目してみてください。