高校生の研究活動を支援するプログラム「高校化学グランドコンテスト」、第15回の結果が公表

2018年10月27・28日、第15回高校化学グランドコンテストが実施されました。このコンテストは、高校生および工業高等専門学校生(3年生以下)の学習研究活動を支援し、高校生自らが自主的な研究活動を楽しみながら科学的な想像力を培い、将来、科学分野で活躍できる人材の育成を念頭に置いて行っている教育支援プログラムです。今回は第15回の結果を交えつつ、このコンテストの特徴をお伝えします。

 

高校化学グランドコンテストとは

高校化学グランドコンテストは、生化学を含む化学を基盤とした実験・調査研究に関する発表の内容を審査するコンテストです。応募資格があるのは高校生と工業高等専門学校生(3年生以下)。個人とグループのどちらでも応募できます。一次審査は研究概要や背景と目的、研究の方法、研究の結果、まとめと考察、今後の課題などをまとめた審査資料をもとに行い、その後の最終選考会では発表方法が「口頭発表」と「ポスター発表」にわかれ、それぞれの部門で受賞者が選ばれます。

 

審査はテーマ設定と研究内容をポイントに行われますが、一次審査は研究レポートの完成度、ポスター発表では発表(仕方、内容)と質疑応答に審査の観点が置かれ、口頭発表では発表(仕方、内容、時間)と質疑応答、英語での発表が審査の条件に含まれます。第15回コンテストの発表内容や研究テーマについては、指定された期間に申し込みを行うと、大学教員による「事前相談・サポート」が受けられました。

 

第15回高校化学グランドコンテストの概要

第15回高校化学グランドコンテストでは、全国から過去最多となる124チームのエントリーがあり、名古屋市立大学で行われた最終選考会には2日間でのべ1,009名が参加しました。そのうち114チームがポスター発表を、10チームが口頭発表をそれぞれ行いました。その結果、奈良県立奈良高等学校の「炎の色の並び方・炎色反応の規則性」、また名古屋市立向陽高等学校の「アゾ化合物によるpH指示薬の合成」という研究がポスター賞・シュプリンガー賞を受賞しました。口頭発表では奈良女子大学附属中等教育学校の「食品鮮度の数値化~ミオグロビンの酸化に伴う吸光度変化測定装置の開発~」という研究が文部科学大臣賞を、私立大阪桐蔭高等学校の「鉛フリーハライドペロブスカイト型太陽電池の研究」という研究が名古屋市長賞を受賞しました。最終選考会の参加者は発表だけではなく、海外から招聘された高校生も含めて交流をはかる機会も設けられました。

 

第16回高校化学グランドコンテストは、大阪市立大学で開催される予定です。化学に関心を持っている人は参加を検討してみてはいかがでしょうか。