日本英語検定協会がガイドラインを公表。目的に応じた評価基準のスコアとは

日本英語検定協会(以下「英検協会」)が、「各種目的に応じて求められる英検の品質についての考え方、ならびにその活用に関するガイドライン」を発表をしました。このガイドラインは、2020年の大学入試改革を見据えた英検協会の考えを示すもので、センター試験(大学入試英語成績提供システム)や入試全般に対応しうる検定試験、それぞれのケースに対応した英検協会のテスト例などを資料で示しています。この発表から、求められる品質と考え方、また英検の各級に対応しているCEFRの範囲、および英検CSEスコアの範囲などの情報をお伝えします。

 

英検に求められる品質と考え方

英検協会は、最近では実用英語技能検定をはじめとする各種検定試験が大学や高校入試に活用され、受験者もこれまでの英語学習者に加えて大学や高校入試の受験生も対象になっていることを背景に、ガイドラインをまとめて公開しました。ガイドラインは(A)センター試験(大学入試英語成績提供システム)で求められる品質、(B)入試全般にも対応しうる検定試験・大学入試で求められる品質、(C)模擬試験で求められる品質の3つのケースにわかれています。それぞれのケースで、目的に応じた評価基準のスコアを示しています。

 

各ケースで示される検定試験の品質

ガイドラインの(A)は、2020年度より運用開始される「大学入試英語成績提供システム」で使用される資格・検定試験ではCEFR判定が各大学に提供されるため、CEFR判定は厳密におこなう必要があるとしています。英検の各級のスコア上の範囲の中でどの部分が特に精度の高い範囲かを導き出し、そのスコア上の範囲を、各級のCEFR算出範囲としました。

CEFRがC2の場合の英検CSEスコアの範囲は4000~3300、C1の場合は3299~2600、B2は2599~2300、B1は2299~1950、A2は1949~1700、A1は1699~0です。その上で、(A)に対応する英検の各級のCSEスコアを、1級が3299~2304、準1級が2599~1980、2級が2299~1728、準2級が1949~1400、3級が1699~1400としました。英検協会のテスト例には、実用英語技能検定 ・英検CBT ・英検2020 2 days S-Interview(詳細検討中) ・英検2020 1 day S-CBT(詳細検討中)が挙げられます。

 

(B)では、実用英語技能検定の級別にそれぞれ技能別の満点を設定し、英検CSEのスコアを表示しました。4技能に対応したスコアを挙げると、1級の満点のスコアは3400で合格ラインが2630、準1級は満点が3000で合格ラインが2304、2級は満点が2600で合格ラインが1980、準2級は満点が2400で合格が1728、3級は満点が2200で合格が1456です。

(C)は「一般的に模擬試験は、幅広い能力の受験者層の英語力とその伸長度を、短時間かつ効率的に測定し、受験者個々の学習目標の到達の度合いや英語力の伸長度を明確に示すこと」が求められるとし、英検協会のテスト例として、膨大な過去の検定試験のデータ蓄積を再利用し、スコア(級)判定測定レベルの品質を確保している英検IBAを挙げています。

 

英検協会の公式ウェブサイトでは、これらの情報のほか、英検協会での作問品質や活用の状況などの情報が公表されています。