活動を報告する年に1度の大会。スーパーグローバルハイスクール全国高校生フォーラムが開催

2018年12月15日、東京国際フォーラムで、文部科学省と筑波大学の共催による「2018年度スーパーグローバルハイスクール全国高校生フォーラム」が開催されました。スーパーグローバルハイスクール(以下SGH)は国際化を進める国内の大学のほか、企業、国際機関等と連携して、グローバルな社会課題を発見・解決し、様々な国際舞台で活躍できる人材の育成に取り組む高等学校等を指定するもので、指定された学校は質の高いカリキュラムを開発・実践します。このイベントでは全国のSGH指定校123校・アソシエイト18校、開催地である東京都の高等学校5校の代表生徒が一堂に会し、英語でのポスターセッションやディスカッションを通して、日頃取り組んでいるグローバルな社会課題・ビジネス課題の解決や提案について英語で発信しました。

 

英語で研究成果を発信するSGH全国高校生フォーラム

SGH全国高校生フォーラムは、高校生による英語でのディスカッションやポスター発表など、研究成果を発信する場を設け、全国の高校生が集う機会を作るとともに、今後の課題研究の深化や意欲の向上を図ることを目的に開催されています。参加者はポスターセッションや生徒交流会などの機会を通して、グローバルなテーマについて考えを共有します。参加校からは、文部科学大臣賞が1校、審査委員長賞が3校、審査委員長特別賞が2校、生徒投票賞が4校、合計10校が表彰されました。

 

表彰された学校の例

2018年度のフォーラムでは、立命館慶祥中学校・高等学校が文部科学大臣賞を受賞しました。同校は「アイヌの伝統を知る~教育によるアイヌ文化の伝承活動~」をテーマに発表し、出場した生徒4名が「アイヌ語を残したい、アイヌについて知ってほしい」という強い想いを伝えました。審査委員長賞を受賞した神奈川県立横浜国際高等学校のベトナム・スタディツアーのメンバーは、ベトナムの都市部と農村部の格差を解消するためのソーシャルビジネスプランとして、収入が安定しないカカオ農家の収入を上げるため、カカオ豆と古紙からリサイクルペーパーを作り、その紙から紙製品を作り、日本で販売するというプランを提案しました。また、立命館宇治中学校・高等学校は、「社会貢献とイノベーションの志で取り組む、宇治市活性化とラオス教育支援」をテーマに、同校のSGHに関する取り組みのコアな部分の活動について、取り組みが行われるようになった経緯とその成果について発表し、2年連続で生徒投票賞を受賞しました。

 

文部科学省は、将来、国際的に活躍できるグローバル・リーダーを高等学校段階から育成するためにSGHを指定し、SGH全国高校生フォーラムのような取り組みを積極的に進めています。文部科学省のウェブサイトには全国のSGH指定校の一覧が掲載されていますので、人材育成を積極的に行っている高校を調べる上で参考にしてみてください。