全国学力・学習状況調査、中学生の調査で新たに英語を追加

文部科学省が「平成31年度全国学力・学習状況調査に関する実施要領」という資料を公表しました。平成31年度全国学力・学習状況調査からは、中学校の教科に関する調査に、新たに英語が追加されました。ここでは4月18日に実施される予定の中学生の全国学力・学習状況調査に着目し、調査の目的や時間割、英語の調査の概要などの情報をお伝えします。

 

平成31年度全国学力・学習状況調査の概要

全国学力・学習状況調査は、国・公・私立学校の小学校第6学年と中学校第3学年の全児童生徒が対象の調査です。調査の内容は、国語、算数・数学、英語の教科に関する調査と、生活習慣や学習環境等に関する質問紙調査の2つで構成されています。6学級を例にした中学校の調査の時間割は、1時間目が国語(50分)、2時間目が数学(50分)、3時間目が英語の「聞くこと」「読むこと」「書くこと」(45分)、4時間目が生徒質問紙など(20~45分程度)、5時間目が1組・2組・3組を対象にした英語の「話すこと」、6時間目が4組・5組・6組を対象にした英語の「話すこと」という構成です。

 

新たに追加された英語調査の概要

平成31年度全国学力・学習状況調査から英語が追加されるため、事前に予備調査が行われました。「読むこと」の予備調査では、英語のホームページに書かれた文章から大切な部分を読み取る問題が出題されました。「話すこと」調査では、3人で英語で会話をしている想定で、日常会話でのやり取りに即興で応じる問題が出題されました。

英語の4つの調査のうち「話すこと」調査に関しては、初めて各学校のコンピューター教室等のPC端末等を活用し、音声録音方式で実施するため、各学校のICT環境が様々であることに配慮して、以下の措置がとられます。

「設置管理者が各学校のICT環境の整備状況を把握し、各学校の状況を十分踏まえた上で、検討し、設置管理者の判断により学校単位で『話すこと』調査を実施しないこととすることができる」

「調査実施後に文部科学省において確認の上、実施校の全国総数のみを公表する」

「中学校英語調査の結果については、『聞くこと』『読むこと』『書くこと』の合計を集計する。また、『話すこと』調査結果については、全国の平均正答数及び平均正答率を別に集計して『参考値』として公表することとし、都道府県別、指定都市別の公表は行わない」

「『話すこと』調査を実施しなかった学校においても、『話すこと』調査問題及び調査結果を活用した授業改善が行えるよう、調査実施後すみやかに、調査問題、正答例、問題趣旨及び解答類型を公表する」

 

全国学力・学習状況調査は、「義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から、全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し、教育施策の成果と課題を検証し、その改善を図る」「学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる」「そのような取組を通じて、教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する」の3つを目的に行われています。全国学力・学習状況調査で出題される問題は、重要だと考えられる知識や技能を知る参考になるでしょう。